琴線は人それぞれ
今日も関東地方は酷暑のようですね。神戸は雲が多く、夜には雨の予報です。昨晩は風があるのに寝苦しく感じました。でも今日の午後から涼しい風が吹き込んでいますので、このままならぐっすり眠れそうな気がします。
昨日の散歩中に撮影した写真です。外は暑いですから、少しでも涼しそうな写真を選びました。外出する日はどうしても一定の時間が取られますが、今日のように引きこもりの時は作業がはかどります。仕事だけでなく、気になることを積極的に片付けていくのに最適です。
大体、「雑用」という言葉がアウトですね。そんなネーミングで処理するから後回しになったり、「雑」な仕事になるのです。世の中に「雑用」なるものは存在しません。存在するとしたら、私たちの心が作り出しているだけです。
さて、昨晩読了した本です。
『火花』又吉直樹 著という本です。
説明するまでもなく、最新の芥川賞作品ですね。短い小説ですから、実質2時間もあれば読めます。100万部以上刷られているわけですから、大勢の方がこの本を手にされているのでしょう。私は図書館で借りましたけれどね〜
主人公は徳永という売れない漫才師です。スパークスというコンビ名です。熱海の花火大会で営業中に、あほんだら、という漫才コンビの、神谷という4歳年上の先輩と出会います。その奇特な才能に惚れ込んだ徳永は弟子入りを志願します。「俺の自伝を書け」という条件で二人は師弟関係を結びます。この二人の物語ですね。
関西弁のセリフが多いので、少しとっつきにくい方があるかもしれません。私のような関西人は全く違和感はありませんでしたけれどね。二人のセリフそのものが漫才ですので、かなり吹き出すシーンがありました。関西人にとってボケとツッコミは、日常の風景ですからね。
でも正直に感想を言いますと、心が引き込まれることなく最後のページを迎えてしまいました。私の場合、純文学の小説を読むと、こういう結果になることが多いのですよね。表現力よりもストーリーを重視しますから、芥川賞作品よりも直木賞作品のほうが私には合います。驚きのないストーリーに、単調さを感じてしまいました。
それと、登場人物たちに感情移入できませんでした。これから読まれる方も多いと思うので詳細は書きません。でも私はこの二人の生き方に共感できませんでした。芸人さんにはこうした人がいるよなぁ、と妙に納得してしまうのです。一般の人から見れば異常でしょうが、その世界の人にとっては普通の二人のように感じました。
まぁ、これはあくまでも私の琴線に触れなかった、ということでしょう。琴線は人それぞれですからね。同じ純文学の芥川賞作家である辻仁成さんの小説は、激しく私の琴線を刺激します。たくさんの作品のうち2冊しか読んでいませんが、どちらも恥ずかしいほど号泣してしまいました。純文学というのは個人の感性に訴える部分が強いので、反応が極端に分かれるのかもしれませんね。
それにしても又吉さんが出版界に与えた影響は素晴らしいと思います。本が売れない時代に、買ってみようと思わせることに貢献されています。これをきっかけにして、少しでも大勢の方が小説を読まれるようになるといいですね。次回作が出版されたら、また読みたいと思っています。
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