今日の言葉 8月11日
『不可知なるものを切望する』
あなたは真実在(リアリティー)とは何かについて、私に話してもらいたがっていますが、言語に絶するものを言葉に置き換えることは可能でしょうか? 測れないものを測ることは可能でしょうか? あなたは手でギュッと風を掴めますか? もしできるとしたら、それは風ですか?
不可知なるものを既知なるものに変換した瞬間、それは不可知なるものではなくなってしまうのです。しかしながら、それが私たちの切望していることです。私たちは四六時中知りたがっています。そうすれば自分たちは進み続けることができるだろう、究極の幸せ、永遠を手に入れることができるだろう、と考えるからです。私たちは幸せではない、不幸と戦っている、疲れ果てている、堕落している、だから知りたいのです。
しかし私たちはその単純な事実、すなわち自分たちが堕落しているという事実、愚鈍であるという事実、疲れ切っていて、混乱しているという事実を実感する代わりに、既に知っていることを離れ、知らないものへ移りたいと思っています。が、その知らないものもこれまた既知となってしまうので、私たちには真実在(リアリティー)を見つけることが決してできないのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜