疑うことは、大切なこと
この時期の外の景色は、何だか不思議です。今日は散歩しながら、思わず笑ってしまいました。
カッと日差しが照ると夏。でもほおに吹きつける風は秋。ツクツクボウシが合唱するなか、赤トンボが集団で乱舞。東の空を見ると夏の入道雲。西の空を見るとほうきで掃いたような秋の雲。見事に夏と秋が混在しています。不思議で、楽しいですね。
秋の風に揺れながらも、ゴーヤが立派な実をつけていました。とても可愛い。
今のような季節の変わり目は、去り行く季節とやって来る季節が複雑に絡み合っています。夏といえば夏だし、秋といえば秋。つまり正解なんてありません。
正解を導き出そうとするのは、人間の悪い癖かもしれません。自然の世界に決まり切った正解なんて存在しません。「夏」や「秋」という言葉のイメージだけで自然を見ることは、大切なことを見逃してしまうように思います。ただ、ありのままの「今」を感じていればいいのでしょう。蝉や赤トンボはカレンダーを見て行動しているわけじゃなく、心のままに生きているだけですからね。
同じように正解を導き出そうととすると、混沌とした世界に引き込まれていくものがあります。それは歴史的事実です。事実はたった一つのはずですが、そこに正解を見出すことは困難です。おそらく正解を知っているのは、当事者だけでしょう。当事者でも立場が変われば、出来事の全てを知っている、とは言えないかもしれません。昨晩読了した本です。
『逆説の日本史 高杉晋作と維新回天の謎』井沢元彦 著という本です。
歴史好きの方はご存知のシリーズ本だと思います。井沢さんが週刊誌に連載されている記事を時代ごとにまとめた単行本です。このシリーズが大好きで、古代史編あたりは必死で読みました。今回この本を読んだのは、高杉晋作の追っかけ第2弾のためです。
この本のタイトルの通り、井沢さんは歴史的に常識となっている事実に関して、疑う姿勢を大切にされています。本当にそうだろうか、と穿った見方をすることで、真実に迫ろうとされています。歴史学者ではなく作家ですが、かなり専門的な史料も読まれているようです。累計500万部という発行部数は頷ける内容ですね。
私も全く同じ姿勢を持っています。学校で習った歴史的事実に関して、信用できることのほうが少ないと感じているからです。今現在国会で審議されている安保法案だって、その裏に隠された事実は私たちの予想をはるかに超えているでしょう。だから歴史を遡れば遡るほど、真実は深い闇のなかに閉ざされています。
それでも可能な範囲で推測していくことに、歴史を学ぶ楽しさがあるのでしょう。この本を通じて高杉晋作とその時代背景をじっくり勉強することができました。噂になっている孝明天皇の暗殺説なども、井沢さんの意見を知ることができて面白かったです。
歴史を見ることにおいて、疑うことは大切です。その姿勢を貫かれている井沢さんは、確定的な結論として自分の意見を述べられています。
「高杉晋作は天才だ」
私も全く同感です。幕末の混沌とした時代、彼がいなかったら全く違った日本になっていたでしょう。同じ目的を持っていたとしても、それを実行することにおいて他人が決して真似ることができないことをやってのける。それが天才たるゆえんです。ifを考えても意味はありませんが、高杉晋作が結核を患うことのなかった明治維新後の世界を見てみたい気持ちになります。
歴史に関わらず、疑うことは大切です。情報が溢れている現代、他人の意見を鵜呑みするのはとても危険なことです。見た目の派手さに惹きつけられたり、自分の信条に合致するからと盲信してしまうと、とんでもない遠回りをすることになるかもしれません。
どんなことでも是々非々で判断すべきです。あの人の言っていることは間違いない、と人物だけで判断するのは危険です。一つ一つの事柄について、本当だろうかと疑うこと。そしてどれだけ信奉している人であっても、賛成できないことはできないと宣言すること。それはこれからの時代、とても大切なことです。雰囲気に流されてしまうと、自分がどこにいるのかわからなくなってしまいますからね。
高杉晋作についてはまだまだ追っかけます。現在は司馬遼太郎さんの小説を予約中です。西郷隆盛に思い入れを持たれている、海音寺潮五郎さんの小説からも高杉晋作を見てみたいと思います。こういう追っかけは楽しいです!
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