利休にたずね……たい!
昨日の強い風もおさまり、雨もあがりました。雲は多かったですが、冷んやりとした秋らしい空気の1日でした。
昨日の散歩中に撮影した花です。風が強かったので、手で押さえないと写真に撮れませんでした。秋らしい花が目立ってきましたね。
いよいよ今日からiPhone6Sの発売開始です。Appleストアの店頭渡しはオンライン予約が義務づけられたので、例年の行列はなかったようですね。秋の風物詩が無くなったようで、少し寂しい気もします。
私は明日受け取ってきます。iPhone6Sのシルバーを予約しました。ゴールドや新色のローズゴールドは予約殺到しそうだったので、最初から敬遠しました。でもどうせなら普段から使っているMacBook Airと同色がいいと思い、この色に決めました。
ところが予約状況や購入希望者のアンケートによると、シルバーを希望している人が最も多いとのこと。意外にも最も予約数の多い色を注文していたようです。現在使っているiPhone5Sのデータを先ほどiTunesにバックアップしましたので、用意万端です。遠足前の子供みたいにウキウキしていますので、今夜は眠れないかもしれませんね。
さて、昨日観た映画です。原作を読んで感動したので、以前から観たいと思っていた映画でした。
『利休にたずねよ』という2013年12月に公開された映画です。私が大ファンである市川海老蔵さんが主演されているので、原作を読んでいなくても観たいと思っていた映画でした。
この映画が公開された同じ2013年の2月に、市川海老蔵さんのお父さんである市川團十郎さんが亡くなっています。この映画が最後の親子共演になったのですね。さらに翌年の2月には原作者の山本兼一さんも亡くなっています。ちょっと訃報が続いた映画です。
さてその映画ですが、個人的にはちょっと残念な作品でした。映像は幽玄で、利休を演じられた海老蔵さんの所作は、さすが歌舞伎役者だと感じる美しさでした。茶道をもともと勉強されていますが、さらに特訓されたとのこと。見事な茶人を演じられていたと思います。
でも、どうも利休という人物の魅力が出ていないように感じました。原作を知っているので映画が見せようとするその意図はわかります。しかし、とても薄っぺらく映ります。十代から七十代を迎えようとする人間の、その奥行きが見えてこない映像になっていました。
さらに気になったのが秀吉のキャストです。大森南朋さんは素晴らしい俳優さんです。先日観た『フィッシュストーリー』で演じられたバンドのマネージャー役なんて最高でした。三丁目の夕日シリーズでの、編集者の役も大好きです。でもこの秀吉役は合っていないように感じました。だって優し過ぎるのです。大森さんの人柄のせいか、好き勝手に振る舞う武将の姿が、どこか無理しているように見えます。
でもこの映画は秀吉と利休の確執が重要なモチーフですから、そのあたりが物足りなく感じました。高麗の姫が拉致されて日本で人身売買される、という設定に異論はありません。その女性と心中しようとした利休の心も理解できます。フィクションですから、史実なんて気にする必要ありません。でもどうして利休が秀吉によって切腹するまで追い詰められたのか? その部分に関して、原作ほどの説得力が映画には無かったように思います。
実は、この本当の理由を私は知りたいと思っています。「利休にたずねよ」ではなく、たずねたい、と真剣に感じます。利休の木像事件や、茶器を不当に高い金額だ売買したというのは、単なるこじつけの理由だったと思います。歴史に埋もれてしまっている、何か大きな理由があると感じます。そこには「本能寺の変」がからんでいる、と私は推測しています。
「本能寺の変」の事実は学校で習う歴史通りとは思えません。私が支持している説は、二つあります。
一つは明智光秀に対する冤罪説。ある黒幕によって謀反人に仕立て上げられたという考えです。
もう一つは信長による家康暗殺を防ぐために謀反を起こした、という説です。信長は名物の茶器を見せるため公家等を本能寺に招待しています。その同じ席に家康を呼びつけようとしていた史料があります。けれどもその事実を知っていた黒幕が、その暗殺計画を逆に利用した可能性があります。
そのどちらの説にも登場する黒幕。それが秀吉ではないかと直感しています。そして「本能寺の変」の時、利休の行方が記録に残っていないそうです。信長は本能寺に茶器を持参しています。利休がそのことに関わっているのでは……。
つまり秀吉の陰謀を知っていた利休の口封じが切腹の理由では、と想像しています。秀吉の朝鮮出兵に反対していた利休。晩年の秀吉は自分に逆らう人間に対し、強い疑心暗鬼の目を向けています。反抗的に見える利休に、過去の秘密をバラされては困る。そんな思いから利休を追い詰めたのでは、と歴史好きの私は夢想しています。
でも事実は当事者しかわかりません。だからこそ、「利休にたずねたい」と思っています。
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