妻と推理ごっこ
よく冷えている神戸です。かなり強めの寒気が入っているようで、午前中から昼過ぎには強烈な季節風が吹いていました。夕方になって風の音は収まっていますが、気温がぐっと下がったように感じます。
昨日の夜はその寒気の影響で、冬の雷でした。学生時代に北陸で暮らしていた頃は「雪起こしの雷」を経験しています。でもこの時期の神戸の雷はかなり珍しいはずです。それほど急激にやってきた寒気だったのでしょう。
動物というのは雷を怖がるものです。私が過去に暮らしていた犬や猫はそうでした。しかし現在の息子君であるミューナは、全く雷が平気です。むしろ雷が好きなようで、ピカピカゴロゴロと雷が暴れだしたら、いそいそと窓に寄り添って見学しています。
昨晩は眠かったらしく、近くに落雷したような大きな音がしても爆睡。インターフォンの音だったら飛んで逃げるのですけれどね。今日は寒いので朝から姿を見ていません。ずっとこたつに潜り込んだままです。生きているのか、死んでいるのか、全く消息不明で〜す。
さて、昨晩読了した本です。
『ナオミとカナコ』奥田英朗 著という本です。
タイトルだけ見ると、純文学のようですね。これは面白い、という噂だけで借りましたので、私も同じ印象を持っていました。ところがこれはサスペンスです。今年の2月に図書館で予約して、ようやく先日手元にやってきました。
この小説、めちゃめくちゃ面白いです。読み始めたら止まらなくなります。他の用事をしていても続きが気になって、気になって。久しぶりに手元から離せなくなるほど興奮した小説です。
直美は有名百貨店の外商部に努める20代のOLです。可奈子は直美の学生時代の親友で、銀行員の男性と結婚している専業主婦です。その夫はフィクションだとわかっていても顔をそむけたくなるほどの、超悪質なDV男です。可奈子はいつ殺されても不思議でないほどです。もし離婚裁判を起こして別れることができても、居場所を見つけられて殺されるであろうことは必至。このまま暴力に耐えて一生奴隷として暮らすか、殺されるかのどちらかでした。
自分の父がDVだった直美は、そんな可奈子の夫が許せません。そこでその夫の殺害計画を二人で立てます。偶然も重なり、完全犯罪間違いないと断定できるほどの計画でした。そして、二人で夫を殺してしまいます。
ここまでで物語の中盤くらいです。では殺人を犯した後、二人はどうなるのか?
そこで私は妻にここまでの概略を話し、二人で物語の後半を推理してみました。どうなっていけば面白いか?
さて、ここから先は一部ネタバレになりますので、この物語が気になる方はこの先を読まないでくださいね!
完全犯罪の立役者になるのが、夫と瓜二つの顔をした中国人です。貧しい村で育ったので、お金を稼ぐために不法入国していました。外商の顧客を通じてその男と知り合った直美は、その男に200万円の報酬と引き換えに中国に帰ることを依頼します。可奈子の夫のパスポートとスマホを持たせて。
そのお金は認知症を患った婦人から、銀行員の夫が横領したように見せかけた金です。夫と同じ顔をした男が ATMで金を引き出し、パスポートを使って中国に失踪するというシナリオです。もちろん本当の夫は殺されて山中に埋められています。
私と妻の推理では、その中国人の男が再び日本にやってくる、というものでした。それが最も面白い展開だと思います。そして物語の後半にかけて、その通りに展開していきました。
ところがそこからは違います。さすが直木賞作家の奥田さんです。中国人の男がきっかけではあるのですが、完全犯罪だと思われた計画にほころびが見え始めます。もうそこからは、ハラハラドキドキです。エンディングまでページを繰る手を止めることができません。
殺人はいけませんが、この本を読んでいる限り二人の女性に共感します。それほど酷い男なのです。ですからついつい、二人を応援してしまいます。頑張れ!って叫びたくなります。でも、少しずつ嘘が暴かれていくとき、読んでいる私が当事者であるような気持ちになってきます。
ラストの章は圧巻です。手に汗握ります。サスペンス好きな方には、ぜひオススメの一冊です。
来年には広末涼子さんが主演でドラマ化されるようです。見逃すことのないよう、チェックしたいと思っています。
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