今日の言葉 12月13日
『宗教に真理はあるか?』
問題は次のことです。つまり宗教や理論、理想、信仰に真理は存在しないのではないか? ということです。宗教と言って、私たちは何を指しているのでしょうか? 既成の組織化された宗教としてのヒンドゥー教、仏教、キリスト教でないことは確かです。このようなものは全て、宣伝、改宗、帰依、布教、強制などを伴った、組織化された信仰です。
それ故に、既成宗教は紛い物であり、人々を分裂させます。あなたはイスラム教徒、私はヒンドゥー教徒、別の人はキリスト教徒あるいは仏教徒というように。そして私たちは互いに口論し合い、殺戮し合うのです。そんな中に、いくらかでも真理があるのでしょうか?
神を見出すためには、真実在を見出すためには、徳がなくてはなりません。徳とは自由であり、そして自由である時にのみ、真理は発見され得るのです。既成宗教とその信仰に牛耳られている時にではなく。
では理論や理想、信仰に何らかの真理があるのでしょうか? なぜあなたは信仰を持つのですか? 言うまでもなく、それは信仰が安心感や慰め、安全の保証や導きを与えてくれるからです。
あなたは内面的に脅えている。あなたは守られたい。誰かに頼りたい。その結果、あなたは理想を作り出すのですが、そのせいで、あるがままのものを理解できないでいます。と言うことで、理想は行動の妨げとなるのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜