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高羽そらさんインタビュー

そして息子になる

まだ季節外れの暖かさが残る神戸です。午前中からお昼過ぎにかけてスーパーと自宅を往復しました。家を出た時はともかく、帰りの坂道で私も妻も上着を脱ぎました。じっとしていれば薄ら寒くても、歩くと汗ばむ陽気です。

 

散歩していると梅がほころび始めてるのを見つけたり、二羽のメジロにも出会いました。やはり一ヶ月以上はカレンダーとのギャップがある気温です。和歌山のヒガンザクラも一ヶ月早く咲いたそうです。本当にどうなっているのやら。こんな変な気候が続くので、狂ったどこかの国が水爆実験をするのかもしれません。

 

学校はまだ始まっていないようですが、一足早く保育園は通常モードのようです。公園を見ていると、保母さんに先導された園児たちが楽しそうに遊んでいました。あのくらいの年代の子供って、本当に可愛いですね。観察していると、保母さんの指示に疑うこともなく従います。

 

でもあの年代の子供でも、言葉で表現できないだけで、かなりいろいろなことを感じているはずです。自分自身を思い返すと、そうですから。

 

大人が思っている以上にその言葉の意味を理解していますし、言葉が話せれば大人と同じようなことを考えています。表現する手段を持たないだけです。それとも私が他の子供に比べてひねくれていたのかな? 私は窃盗罪の前科持ちの保育園児でしたからね〜〜!

 

とっても怖い小学生の子供が近所にいて、ある商店から商品を盗んでくるようにとミッションを受けました。怖いから逆らえない。でも警察がもっと怖いって、知らなかったのです。結局日が落ちて真っ暗になった小学校の敷地を警察に追われて逃げ回り、こっぴどく叱られて補導された経験があります。そんな幼児ですから、もしかしたら今の幼児の感覚と違うかもしれませんね。

 

こんな私ですから、父をテーマにした映画を見ても、そこに登場する子供に感情移入していました。昨日に観た映画です。

 

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『そして父になる』という2013年に公開された映画です。カンヌ国際映画祭で審査員賞を獲得した作品です。

 

話題になった作品ですから、観られた方は多いでしょう。私も気にはなっていたのですが、テーマが重いので敬遠していました。でも小説を書く上で見ておくべきかと思い、ようやく鑑賞することができました。評判通りに、素晴らしい映画でした。

 

病院での子供の取り違いがモチーフです。それもうっかりとした事故ではなく、幸せな家族を妬んだ看護師の意図的な事件でした。小学校に入学する年齢になって、ようやくその事実が明らかになります。

 

映画の内容は後存知の方が多いので省略します。最終的には赤ちゃんの頃から暮らした育ての親の元に戻る、という設定です。でもそこに至るまでは交換という非情な決断が採用されて、事情を正確に理解できない子供たちが苦しむことになります。そして同時に双方の親も葛藤します。

 

この映画が面白いのは、双方の家族の違いですね。福山雅治さんの一家はエリートで裕福。リリー・フランキーさんの一家は貧しい街の電気屋。このギャップがあるからこそ、子供の交換という事態に深刻さが増すことになります。

 

映画的にはどちらの子供にも深い愛憎を見せるリリーさんと、子供たちとの精神的距離を埋められない福山さんが対照的に描かれます。福山さんがその愚かさに気づき、『そして父になる』というタイトルが成立します。

 

でも私はそうではなく、『そして息子になる』という二人の子供の立場でこの映画を観ました。そして泣きました。

 

この子供たちは小学校一年生。その夏休みに交換を体験します。同時に私の小学校一年生の夏休みを思い出しました。実の母が家出をし、それが今生の別れとなりました。そしてすぐに継母がやってきました。その時の体験とダブルのです。同じ年齢ですから。

 

慶多という名の福山さんの息子が、自分は両親に見捨てられたと感じます。それまで「いい子」だった慶多が、エンディングで鬱積した思いを父にぶつけます。「パパじゃない」と否定します。あの複雑な思いが、手に取るようにわかります。

 

実の親(この場合は実の親ではありませんが)に見捨てられたという気持ちと、新しい親に気に入ってもらおうとする必死の思い。その相反する感情が葛藤します。それはリリーさんの息子も同じでした。7歳の子供は独立できません。親という存在に依存するしかない。選択肢など存在しません。

 

「そして息子になる」という選択しかないのです。子供なりに腹をくくるしかない。この映画のテーマからは全く外れた見方ですが、私にとっては子供に感情移入せざるを得ませんでした。そういう意味でも、とても印象に残った映画です。

 

映画はここで終わりますが、この物語はやがて「自立」の物語につながっていくはずです。少年たちはいずれ自立します。そして両親も親として自立する必要があります。どちらかに依存関係や強く残っている場合、最初に掛け違えたボタンが大きな問題となってきます。

 

この映画の場合、育ての親を選択しました。その関係が本当の意味で完成するのは、親と子供が自立した時だと、私は思います。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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