今日のウィルバーくん 1.6
ケン・ウィルバーについて語る際、重要なワードとして「ワン・テイスト」という言葉があります。これが学校の授業なら「ここ試験に出ますよ!」というくらいに大切です。
「目撃者」を知ることは最初の一歩ですが、その段階ではまだ分離が存在しています。目撃するものと目撃されるものが一つになった時、そこに「ワン・テイスト」が生じます。「ワン・テイスト」とその状態がどのようなものであるか説明した文章を抜粋します。
〜以下抜粋。
あなたは、「一者の味わい」(ワン・テイスト)である。起こること一つひとつ、そのすべてである、空なる鏡であり、まったく透明であり、無限で、永遠で、解放すら超えている。それが……あなたである。
そこで、デカルト的な二元論───こことあそこ、主体と客体、空なる目撃者と目撃されているすべてのもの、という二元論───は最終的に解体され、非二元の一味となる。目撃者と完全に接触すると、その時、ただその時のみ、それは根源的な非二元性へと超越される。
(中略)
どのように、最終的に、そして完全にデカルト的な二元論を克服した、と言えるのだろうか。簡単である。完全にデカルト的な二元論を克服した時、あなたは、あなたの顔のこちら側で世界を見ているのではない。世界は一つであり、あなたはそれである。あなたは一瞬一瞬、起こっていること、すべてと一つである。
(中略)
その時(実はそれが、あなたに常に現前している状態なのであるが)、特定の肉体への同一化はなくなる。頭の中の意識への同一化はなくなる。あなたとは、頭のなかから世界をのぞいているものだという拘束がなくなる。個人的な心身への縛り付けられるような関心はなくなる。そのかわり、意識は常に起きているあらゆることと一つである。意識は、コスモス全体を抱擁する。
(中略)
したがって、すべての客体とすべての主体は、この「一者の偉大な抱擁」のなかで、官能的に結ばれる。眼のこちら側の存在としてのあなたは消え去る。あなたは「すべて」となる。あなたとは、一瞬一瞬に起こること、それそのものすべてである、と直接、実際に感じる。
〜以上抜粋。ケン・ウィルバー著『ブーメライト』より
いかかでですか? 「ワン・テイスト」という言葉の意味を少しは感じていただけたでしょうか?
少し文章が長いので一部を中略しましたが、じっくり読んでいただけたら、その雰囲気を感じていただけると思います。この「ワン・テイスト」は何度も出てくると思いますので、回数を重ねて説明していきたいと考えています。
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