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高羽そらさんインタビュー

運命が友達になる瞬間

今週の後半には最高気温が16〜18度になるという週間予報です。でもまだ今日は低め。朝食を取りながら、ちらつく雪を見ていました。でもお昼前からは天気が回復して、夕方になっても青空が続いています。家にいるとわからないのですが、気温は上がっているのかもしれませんね。

 

まだ2月ですが、日が長くなってきたのを感じます。12月の冬至頃だと午後5時を過ぎると辺りは真っ暗。でも今は午後5時半でも西日をかろうじて見ることができます。少しずつ春が近づいています。

 

これからしばらくは梅が綺麗ですから、機会があれば梅の花見に行きたいと思っています。どうやら宝塚に千本の梅の木が植えられているお寺があるとのこと。妻が調べてくれました。それも無料。3月が見頃らしいので、月が変われば是非行ってみたいと思っています。

 

それまでにもう少しピッチを上げて、『妖精からの招待状』のリノベーションを進めていくつもりです。ブログにアップした段階ではかなりの文字数ですので、シェイプアップが必要かもしれません。もうすでにキャラの特徴を変更しています。どんなリノベーションになるのか、自分でも楽しみにしています。

 

そんな創作の参考になればと、できる限り小説を読んでいます。でもなかなかこんな文章を書けないよな、と思わせる作家が辻仁成さん。詩集も出版されている方ですから、言葉が本当に美しい。読んでいて惚れ惚れするのですが、自分には書けそうもない文章に圧倒されています。

 

そんな辻さんの本を、昨晩に読了しました。

 

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『まちがい』辻仁成 著という本です。

 

辻さんのような文章が書けない、というもう一つの理由があります。それは彼が倒錯的な人物についての描写が多い、ということです。過去に読んだ作品でも性同一性障害をを持つ登場人物の物語がありました。あるいは同性愛者、SM愛好家等、様々な人物の様子が克明に書かれています。

 

その様子を単に描写するだけでなく、その人たちの心の奥深くまでも踏み込んでおられます。どちらかといえば中性的な辻さんですから、そうした人たちの心が読み取れるのかもしれません。

 

この物語もSM的なことがテーマになっています。主人公は秋声という会社の経営者。ところがいまにも倒産寸前です。それで資金援助を受けたのは、大吾という学生時代の友人。学生の頃は秋声に憧れ、信奉していた大吾です。ところが商才があり、世界的なビジネスで成功しています。

 

その大吾はサディスト。秋声の会社を資金援助する代わりに、難題をふっかけます。そうして秋声を困らせることで、サディストとして満たされるわけです。不遇だった学生時代のリベンジでもあります。

 

その難題とは、自分の妻を誘惑すること。サディストである大吾は、自分の妻と友人を苦しめることに生きがいを感じている人間なのです。

 

詳細なストーリーは省略しますが、自分の全財産や地位を投げ出してでも純愛を守ろうとした秋声のハッピーエンドで終わります。自分の運命を受け入れることで、本当に大切なものは何かを見つける、という物語です。途中まではハラハラしますが、あぁ、よかった、と思える作品なのでホッとしました。

 

そして最初に書いたように、辻さんの文章が本当に美しい。いつまでも読んでいたい気持ちになります。そんな文章の中から、私が大好きなセリフを抜粋します。運命について、秋声が語った言葉です。

 

「それは運命だからだ。運命ってのは、受け入れた時にこそやっと、友達になれるものでね。ところが願望だけで生きていると、欲ばかりが出る。でも、運命というものは、受け入れてみるとなかなか居心地のいいものだ。ぼくは、今までこんなに誰かを愛したことがなかった。そのことだけでも教えてもらえて、運命に感謝している。名誉よりも、出世よりも大切なものがこの世には間違いなく存在する。人間は、何を望むか、だよ。野心だけでは人間の心ってものは満たされない。死ぬ時に、成功しか思い出せない人生もあるだろうが、愛した人の笑顔を思い出せる人生の方が豊かだと、今のぼくは言うことが出来る。辛かったけれど、かけがえのないものを手に入れることが出来た。人を愛する、愛した、という事実だ。もっとも、手に入れたとは言い難いけれど、経験することは出来た、かな。今も、それはぼくの心の中にある。それでいいじゃないか」

 

素敵なセリフです。

 

運命が友達になるのは、受け入れた時だ、と秋声は言います。そのとおりだと思います。

 

人間が死ぬ時、持っていけるのものはお金でも名誉でもありません。唯一連れて行けるのは、自分の心です。どんな心を連れて帰るか。それは私たちの生き方次第なのでしょう、とても素敵な物語でした。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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