食わず嫌い、だったかも
昨日の神戸の最高気温は20度。ところがどっこい、今日は朝から雪が舞っています。
急激に気温が下がることを知っていたとはいえ、さすがに雪を見たらびっくり。昨日の今日ですからね。
そして引き続き風が強い。自宅を出てから何度も風にあおられて、立ち往生することがありました。暴風警報が出た昨日の神戸では、最大瞬間風速で24メートルを記録したとのこと。もうこれは台風ですよね。
雪だから、と傘を持たずに出ました。でもお昼前には気温が上がったのか、雪が雨に変わりました。強い風に吹かれ、そして時雨に濡れながら自宅に戻ってきました。今年の冬は全体的に見れば暖冬で過ごしやすいのですが、温度の乱高下には参ります。もうちょっとナチュラルに温度を上下して欲しいです。
明日は歯科の治療ですので、朝のブログの連載小説はお休みして、今朝と同じ「メチャ気になる」をアップする予定です。いつもより遅めの予約なのですが、さすがにじっくりと小説を書く時間は取れそうにありません。あと何回くらい通うのかな? 面倒ですけれど仕方ないですね。
さて、昨晩に読了した本です。実はあまり良い印象を持っていなかったので、敬遠していた作家の作品です。しかしもしかしたら、私の食わず嫌い、だったかもしれません。そう感じさせるほど、素晴らしい作品でした。
『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹 著という本です。
そう、いつもノーベル文学賞の呼び声が高い村上春樹さんが、私はどうも苦手だったのです。というか、そう思い込んでいたのかもしれません。随分以前に『ノルウェイの森』を読みました。でも上巻で挫折。正直言って、何が面白いのかさっぱり理解できませんでした。
私はそもそも純文学と言われるジャンルが苦手で、それに該当する作家として最近読んでいるのは、辻仁成さんの作品くらいです。ところがその辻さんの作品で、二つの小説が同時進行する物語がありました。その本に感動してブログに書いた時、そのブログにコメントをいただいた方からこの作品を教えていただきました。
読み始めてびっくり。何よこの作品!
こんな世界観の小説を書く作家だとは、思いもしませんでした。私のツボに入ってしまったようで、この物語で綴られている異世界のとりこになってしまいました。『世界の終わり』と『ハードボイルド・ワンダーランド』という作品が交互に書かれています。私が昨晩読了したのは上巻ですから、まだ結末を知りません。今夜から下巻を読む予定です。
上巻を読んだ段階でまず面白いと思ったのは、両作品に出てくる登場人物。個人のアイデンティティを明確に表す名前が出てきません。物語はどちらも一人称で、『世界の終わり』は「僕」、『ハードボイルド・ワンダーランド』は「私」が語り手です。
そして他の登場人物も、太った娘、小さい男、大佐、門番等、名前で呼ばれる人物が出てきません。だからこそかもしれませんが、その異世界がますますリアルに感じられてきます。リアルなものを排除することで、かえってその世界自体がリアルに浮き出してくる。そんな印象を持ちました。
二つの小説はまったく違う物語に見えますが、少しずつ共通点が出てきています。一角獣の頭骨、『世界の終わり』というキーワード等によって、二つの世界が互いに触手を伸ばしているように感じます。最終的な感想は、下巻を読み終えたら書くつもりです。
それにしてもこんな作品に出会ってしまうと、村上春樹さんという作家に興味が湧いてきました。他の作品も読んでみたくなります。海外のファンが多いのも頷けますね。遅ればせながら、少しずつでも村上ワールドを探索していこうかと思っています。
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