家族って何だろう?
今日も引き続き、季節外れな気温の高さです。一昨日は暑かったので、今日は家を出る時から上着を着ていきませんでした。でもそれで正解。上着なんてまったく必要のない気温でした。
歩いている途中に、妻が満開になったミモザを発見しました。自宅近くにある美味しいケーキ屋さんの敷地に植えられている木です。普段はあまり通らない道ですが、あまりに綺麗なので近くまで見に行きました。
ケーキ屋さんの建物も写真に入れたかったので少し遠景になっていますが、木の前に立つとため息が出るほどの美しさでした。そして自宅に戻って何気なくネットを見ていると、思いもしなかった偶然に気がつきました。
今日は「ミモザの日」だったのです〜〜〜!
今日の3月8日は国連が定めた「国際女性デー」です。イタリアではこの日、男性が日頃の感謝を込めて、母親や妻、そして会社の同僚などにミモザを送ります。それで今日を「ミモザの日」と呼ぶようになったそうです。
旅番組で以前に見たことがあります。大勢の男性が花屋さんでミモザを買っておられました。そしてミモザを髪や胸につけている女性がいました。でも今日がその「ミモザの日」とはつゆ知らず、妻と二人でその美しさに感動していました。妻に感謝しなさい、ということでしょうね。
偶然とはいえ、今日のこの日にミモザの大木に出会うとは、自分のことながら自然な流れに乗っていますね。おかげでいい写真が撮れました。このブログの写真は、日頃の感謝を込めて妻にプレゼントします。
「ミモザの日」は日本ではまだマイナーな習慣かもしれませんが、今日はミモザを通じて家族の交流が深まっているかもしれません。そんな家族について考える映画を、昨日観ました。
『東京家族』という2013年に公開された映画です。先日テレビで放送されていたので、録画して観ました。
タイトルから想像ができるように、小津安二郎監督の名作である『東京物語」が現代風にリメイクされた作品です。山田洋次監督の、小津さんに対するリスペクトを強く感じる作品になっていました。後半では感動してボロボロ泣きました。
女優の原節子さんが亡くなった時、追悼で放送された『東京物語』を初めて観ました。なんてことないストーリーなのですが、いい映画だなぁと感じました。もし『東京物語』を観ていなかったら、この『東京家族』も観ることがなかったと思います。この二つの映画に出会えてよかったです。
主要な登場人物の名前は、基本的に同じでした。ただ現代にそぐわない名前は、少し変更されていましたね。「シゲ」が「滋子」だったり、「とみ」が「とみこ」だったり。
最初にキャストを見たとき、原節子さんの役を誰がするのか気になりました。実はその部分が大きく変化していました。『東京物語』では次男が戦死していて、その妻が原節子さんの演じる紀子でした。
ところがこの映画では次男はピンピンしています。妻夫木聡さんが演じていました。そして結婚前の恋人を蒼井優さんが演じています。その名前が紀子。ですから『東京物語』の紀子の役割を、『東京家族』では妻夫木聡さんと蒼井優さんの二人分で演じていたことになります。ユニークな配役ですね。
だから母と息子の交流という、『東京物語』にはなかったものを観ることができました。それがまた良かった。母親が亡くなる前日、次男のマンションに泊まった二人のシーンは最高でした。思い出してもウルウルします。そして恋人の紀子も、『東京物語』の紀子と同じ役割を果たしていました。
それ以外にも小津監督の作品である『秋日和』のパロディーも登場していました。それから私の独断と偏見ですが、『男はつらいよ』と同じ場所でロケをしたのでは?、と感じるシーンもありました。何となくですけれどね。
小津監督でも、そしてこの山田監督の映画でも、同じことを感じました。家族というのは血の繋がりだけではない、ということです。同じ時間と空間で出会い、思いやりを持って共に人生を過ごしていこうとする。それこそが家族の定義だと思います。
私と妻とミューナに血の繋がりはありません。でも大切な家族です。血縁だけが家族の証明にはなりえない、ということですね。
以前にもこのブログで書きましたが、『男はつらいよ』の寅屋の一家は、血の繋がりだけで見れば薄い関係です。でも誰もが心から相手のことを思いやって生きています。山田洋次さんは、そうした家族の姿を描いてこられた監督なのでしょう。
この同じ出演者と家族構成で、今月の12日から新しい映画が公開されるそうです。それも喜劇とのこと。とても楽しみな作品です。
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