ゲームが小説になるのも面白い!
昨日の夜から雨が降り出したようで、今朝はバルコニーからの景色がまったく見えませんでした。お昼頃になってようやく景色が見え始めて、雨もあがりました。でも暖かくて風のない雨だったので、満開になった桜が散ることはなかったでしょう。
春になると桜だけではなく、様々な花が咲きます。いつも買い物に行くと通りかかるJR六甲道駅前には、素敵な花壇が作られています。
昨日に撮影した写真ですが、チューリップが咲き誇っていました。可愛いですね。あの花びらのなかに、親指姫のような妖精が隠れていそうです。
4月になってカレンダーを見ると、ふとあることに気がつきました。我が家の黒猫のミューナに関することです。私は過去にミューナを含めて3匹の猫と暮らした経験が有ります。最長齢だったのは初代猫のゴンちゃんというニャンコで、16歳まで生きました。
ところが二代目ニャンコのリンちゃんは10歳になる直前に早世しました。4月に旅立ちましたが、6月生まれだったので10歳まで残り2ヶ月でした。先日に命日だったのですが、実はミューナも同じ6月生まれ。そして今年の6月で満10歳になります。
あぁ、先代猫の寿命を超えたんだなぁ、と感慨深く思っていました。10歳といえばかなりのオッさん猫ですが、まだまだ元気で若い。毎晩夕食後に思い切り遊ぶのですが、その運動能力は衰えを知りません。ジャンプ力も反射神経も完璧。まぁ持久力に関しては、赤ちゃんの頃から皆無でしたけれどね〜〜!
先代猫の記録を更新したついでに、できる限り長生きしてくれたら嬉しいです。元気で一緒に遊べる間は、精一杯遊んでやろうと思っています。夕食後の運動に備えているのか、今日は朝から姿を見せずに爆睡中です。まぁ、本当に猫はよく寝ますね。
さて、昨日読了した本です。
『ICO──霧の城──』宮部みゆき 著という本です。
推理小説だけではなく、時代小説やファンタジーも書かれる宮部さんです。この作品は見事なファンタジーでした。架空の世界を描いた物語で、私が最初に持った印象は上橋菜穂子さんの世界観です。『獣の奏者』の雰囲気を思い出しました。
主人公のイコは角が生えた少年。つまり日本風にいえば鬼ですね。角が生えた子供は、13歳になると生贄として「霧の城」に連れて行かれます。そうしないと「霧の城」の城主たる女王に、すべてを石に変えられてしまうからです。
そんな運命に翻弄されたイコが、「霧の城」でヨルダという囚われの少女を救います。ヨルダの正体は女王の娘ですが、女王の魔力を封印するために「霧の城」の『時』を止める役割を担っていたのです。イコがヨルダを目覚めさせることは、時が動き、女王の魔力が周辺の国に及ぶことになります。イコは「霧の城」に隠された過去を見つけ出し、女王と戦い、最後にはヨルダを救い出す、という物語でした。500ページ以上ある長編ですが、登場人物が少ない分、その心の動きが詳細に書かれていました。ですから読み応えがありましたし、とても勉強になりました。元々はファンタジー好きの私ですから、最初から最後までワクワクが止まりませんでした。
よくこんな物語を考え出したなぁと、感心していました。独特の世界観ですからね。でもあとがきを読んで納得です。
プレイステーション2で、このストーリーを描いた『ICO』というゲームがあるそうです。宮部さんは大のゲーム好きで、このゲームのファンだったそうです。ですからこのゲームを小説にしたいと申し入れて、宮部さん初のノベライズ作品になったとのこと。
小説がゲームになることはありますが、ゲームが小説になることもあるのですね。とても面白い展開です。
もちろん才能豊かな宮部さんのことですから、ゲームとは違う内容に仕上がっているそうです。それでも、原作ゲームのファンががっかりしない内容になるように留意した、とあとがきに記されていました。私はほとんどゲームをしませんから、このゲームの存在を知りません。でも小説を読んで、やってみたいなぁと思わせるような素敵なストーリーでした。
圧巻だったのは、やはりラストですね。「霧の城」そのものが、女王だったのです。ですからその城の内部で戦っている限り、勝ち目はありません。人間の心の光と闇を浮き彫りにした物語だったと思います。いつかこんなファンタジーを書いていやるぞ。そう叫びたくなる素晴らしい作品でした。
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