確かに正気じゃないかも…
昨日で今年の桜のお花見は終了。ゴールデンウィークまでにハイキングに行きたいと思っていますが、とりあえず今日から完全に仕事モードです。
それにしても久しぶりに昨日は車を運転していて、無茶をするドライバーが多いのに改めて驚きました。トラックや乗用車の区別なく、横着で無理な運転をしている人を何度も見かけました。たまたま事故になっていないだけです。
私は20代の頃に通勤で車を使っていて、さらに仕事でも毎日運転していました。それを1年中続けていたわけですから、自分で言うのもなんですが運転は上手いほうです。高校生の頃にバイクで走り回っていた経験も大きいでしょう。もともと運転が好きなのもあります。何時間運転していても、嫌だとは感じません。それが職業になれば辛くなるかもしれませんが。
それは運転中にリラックスして楽しむことができるからです。イライラすることがないわけではありません。渋滞等はやっぱり苦痛です。でも口では文句を言いながら、意外にその状況を楽しんでコントロールしています。運転にあまり影響が出ません。
でも普段は温厚でおとなしいのに、ハンドルを握ると性格が豹変する人がいます。実はそれがその人の本性だったりするのですよね。ある人の性格を知りたかったら、運転する車に乗ればおおよそわかります。「わぁ、この人の運転はダメだ」と感じる人とは、相性が良くないかもしれませんね。
そんな運転中に平常心を保つことができる私でも、正気を失っていると感じる時があります。それは小説を書いているときです。どこか別の世界に入り込んでいますので、書き終えた直後は普段の自分を見失っています。
もしかしたら自分は変人なのかな、と思うこともありました。ところが私と同じことを言っておられる大先輩がいて、少しほっとしています。読了したばかりの本です。
『職業としての小説家』村上春樹 著という本です。
これは小説ではなくエッセイです。新書的な本ですね。村上さんが小説を書くようになった経緯や、その手法、精神的な背景が書かれています。小説、あるいは小説家ということについて、村上さんがどのように考えておられるかが記されています。
メディアに登場することが少ない作家ですから、ある意味とても貴重な本です。そしてめちゃくちゃ面白かったです。夢中で読んでしまいました。以前はあまり良い印象を持っていなかったのですが、最近『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』読んで感動しました。ファンの方にとっては今さらでしょうが、とても興味を持っています。
この本を読んでますます村上さんが好きになってしまいました。とても真面目でストイックな方だと思います。小説を書くことに対して、真摯に取り組んでおられます。もちろん才能があるからノーベル文学賞候補として名前が挙がるのでしょうが、それ以上に不断の努力を積み重ねておられます。とても感動しました。
村上さんが小説を書かれると、最初の読者は必ず奥さんだそうです。そのことについて以下のように書かれていました。
〜以下抜粋。
とにかく書き直しにはできるだけ時間をかけます。まわりの人々のアドバイスに耳を傾け(腹が立っても立たなくても)、それを念頭に置いて、参考にして書き直していきます。助言は大事です。長編小説を書き終えた作家はほとんどの場合、頭に血が上り、脳味噌が過熱して正気を失っています。なぜかといえば、正気の人間には長編小説なんてものは、まず書けっこないからです。ですから正気を失うこと自体にはとくに問題はありませんが、それでも「自分がある程度正気を失っている」ということだけは自覚しておかなくてはいけません。そして正気を失っている人間にとって、正気の人間の意見はおおむね大事なものです。
〜以上抜粋。
やっぱり小説を書くと正気を失うのですよね〜〜! あぁ、私だけでなくてよかった。
村上さんのような世界的な作家と比べるのは恥ずかしいのですが、私も最初の読者は妻です。ブログに連載した作品でも、リノベーションしたら妻に読んでもらって感想を訊いています。そしてできる限りの時間をかけて書き直しています。それは村上さんが書かれているとおり、正気を失っている私に代わり、妻が客観的に読んでくれるからです。
ということで世間からは大幅に遅れていますが、村上春樹さんの作品を追いかけていこうと思っています。私にとって、そういう時期が「今」なのだと思います。
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