他人の記憶を読み取る少年
朝から曇り空で、午後からは雨が降り出した神戸です。昨日は夏かと思うほどの暑さだったので、今日のような天気だと肌寒く感じます。
でも写真のような紫陽花にとっては、気持ちのいい雨だと思います。昨日撮影した写真ですが、今日は雨露に濡れて幸せな気分かもしれません。
伊勢志摩サミットも無事に終わったようで何よりです。そしてオバマ大統領の広島訪問も素敵でした。あとからニュース映像で見ただけですが、大統領の演説は素晴らしい内容だったと思います。そして被爆者の方とハグされているのを見ると、ちょっと目頭が熱くなりました。演出的な意味があったのだとしても、感動を呼び起こす映像でした。
あのトランプ氏でも、まずまずのコメントでしたものね。とりあえず謝罪しなければいい、というトランプ氏の言葉が賛辞に聞こえました。戦争は勝っても負けても悲惨です。少しでも互いが歩み寄ることで、新しいものが生まれるはずです。昨日のハグのシーンを見ていて、そうしたことを象徴しているように感じました。
さて一昨日に読了した本の紹介です。
『楽園』上巻。宮部みゆき 著という本です。
先週は最寄りの図書館が蔵書点検でしたので、一週間ほど休館でした。その前に読む本がなくならないよう、思いつきで手にした本です。宮部さんは著作が多いですから、手当たり次第に読んでいかないと完全制覇に時間がかかりますからね。
それにしてもやはり面白い! もう冒頭からぺージを繰る手が止まりません。寝不足になって困ります。
前畑滋子というルポライターの女性が主人公です。ある日、12歳の一人息子を交通事故で亡くした母親から依頼を受けます。亡くなった息子がサイコメトラーではないか? そのことを調べて欲しい、という依頼でした。
サイコメトラーとは、物に残った記憶を読む超能力者です。失踪した人の物に触れることで、その人物の生死や居場所を読み解く能力です。絵が得意な等という名の少年は、時々幼児のような不思議な絵を描きます。頭のなかにモヤモヤと浮かんできて、絵にして描かないとおかしくなってしまう題材です。
そのなかに事件の現場を描いた絵がありました。ある家が火災になり、ミイラ化された遺体が発見されます。それは16年前に両親に殺された娘の遺体でした。14歳のときに殺した娘と、両親は16年間も一緒に暮らしていたのです。
しかしその事件が明るみになって報道されたのは、等という少年が亡くなってからのことです。ですから誰も知らないはずなのに、少年はその家の様子と殺された娘を描いていました。そこから滋子の活躍が始まります。
上巻の結末として、等が異能力者であることを滋子は認めます。そして下巻では、その事件の核心に迫っていくという設定になっています。昨晩から下巻を読んでいますが、もう続きが気になって仕方ありません。
この前畑滋子という人物は、宮部さんの作品としては二度目の登場だと知りました。『模倣犯』とい映画にもなった作品があります。連続殺人事件について書かれたサスペンスですが、この滋子が活躍しているようです。昨日図書館に行ってその本を探したのですが、貸出中のようで予約するしかありません。現在は私の予約数が限度いっぱいなので、予約できるようになればすぐに読んでみようと思っています。
どの作品でもそうですが、宮部さんが描く人物には心を動かされます。一人ひとりの人物をイメージしているだけで心が痛く、切なくなります。頑張って! と思わず応援したくなります。
さてさて、他人の記憶を読み取る少年の能力は本物なのか? 娘が殺された事件の真相は? そして別進行で並行して進んでいる事件も織り込まれています。それらがどのように絡んでくるかを想像しているとワクワクしてきます。今夜も眠れない夜になりそうです。
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