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高羽そらさんインタビュー

すっきりせず重い

昨日の夜はブログをアップしてから大騒ぎでした。というのは旅行会社からメールが届き、申し込んだ東京行きの旅程の予約が取れないとのこと。ですから風呂を出てから、またまたネットで調べまくって必死のパッチでした。

 

それでもなんとか希望に沿うものを見つけて予約。そして今日の午後に契約完了のメールが届きました。やれやれです。お金に糸目をつけなければ、いくらでも予約を取ることができます。でもそれでは面白くないですからね。ある意味テレビゲームのようなものです。

 

限られた条件で、より良く、より安いものを見つける。ゲームというのは苦労して次のステージに進めるからこそ、気合が入るし楽しいものです。すんなりいってもつまらない。久しぶりにゲーム感覚を楽しむことができました。

 

 

そのおかげで今日は仕事に集中できました。どうにか自分が決めた締め切りに間に合いそうです。いつもならブログを休んだりするところですが、その必要も無くなりました。

 

朝は少し雨が降っていましたが、今日の神戸はおおむね晴天でした。ただし蒸し暑い。風が吹いていても、どことなく湿っぽい。ですからなんとなく体調がすっきりせず、身体が重いように感じます。

 

それと同じように、読むだけで心がすっきりせず重くなる小説を、一昨日に読了しました。

 

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『誰か Somebody』宮部みゆき 著という本です。

 

読み始めてすぐに、あれ? どこかで読んだことのあるシチュエーションだと思いました。主人公の妻は大企業の会長の娘で、夫婦には幼い娘がいる。その会社の広報誌で編集の仕事をしている。名前は杉村三郎。

 

しばらく考えてすぐに思い出しました。『ペテロの葬列』という作品の登場人物です。シリーズ化されている作品のようで、この作品が第1作。そして『名もなき毒』、『ペテロの葬列』と続きます。知らなかったので驚きました。

 

『ペテロの葬列』はマルチ商法を扱った小説でした。バスジャックから始まり、そのバスに乗り合わせた三郎が活躍する物語です。事件としては解決するのですが、すっきりせず重く感じる物語でした。

 

どうやらこの杉村三郎シリーズは、そうした傾向を持った作品群のようです。この第1作も読み終わってすべての謎が明らかになるのですが、喉の奥に魚の骨が引っかかったような気分になります。

 

三郎の義父は、今多コンツェルンの会長です。その会長のお抱え運転手が、自転車に撥ねられて死亡します。成人した娘が二人いるのですが、亡くなった父の本を編集するよう、義父から依頼されます。ところが被害者の長女は父の素性を調べることに難色を示しています。

 

4歳の頃、誘拐された経験があります。まだ次女が産まれる前でした。その時の記憶から、運転手になる前の父には隠された闇の歴史があるのではないか、と疑っていたからです。事故ではなく、実は殺されたのではないか、と。だから父の過去を調べることを怖がっていました。

 

結論からいえば、やはり事故でした。殺されたわけではありません。ところが長女の予想どおり、父には誰にも話せない過去がありました。そのことを知った三郎は真実を二人の娘に話すかどうか葛藤します。

 

さらに厄介なことに、その二人の娘を取り巻く、とんでもない事実が発覚します。もう修羅場です。そしてすっきりせず、重い雰囲気で物語が終わります。これこそ宮部さんが意図されていることだと思います。読者の感情をそうした状態に誘導するよう、書かれているのでしょう。

 

唯一の救いは、三郎の一家が幸せな家族だということです。でも『ペテロの葬列』を知っている私には、その未来が見えています。それを思い出すと、寂しくなります。どうやら宮部さんの魔法にかかってしまったようですね。第2作の『名もなき毒』を読んで、さらにその感情に浸ってみたいと思います。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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