最後にわかるタイトルの意味
この暑さ、どうなってんのや〜!
今朝なんか掃除が終わった段階で、汗びっしょり。黒猫のミューナは体毛の色のせいか、太陽の光に近づこうとしません。そりゃ全身真っ黒だから、暑くて仕方ないでしょう。涼しい寝場所を求めて、あちこちウロウロしています。といっても狭いマンションですから、行き場所は限られているのですけれどね〜!
先日の散歩中に見つけた百合の写真が涼しく感じるほど気温が上がっています。妻と相談してエアコンのない生活をしようと決めてから、もう10年くらいになります。年間を通して見ると、本当にエアコンが必要な時期はかなり限られています。でもエアコンがあれば、あまり必要ないときでもスイッチを入れてしまいますからね。
いつか二人が老人になって体温調節機能が衰えてきたら、エアコンを導入するでしょう。それまではしっかり汗をかいて、しっかり水分とミネラルを補給する。そうして肉体が本来有する機能をフルに刺激してやりたいと思っています。夕方になってきて、涼しい風が吹き出しました。今日の東京は肌寒いそうですが、関西は猛暑です。身体を慣らしていくしかないですね。
さて、ようやく昨晩に大作を読み終えました。単行本の上下巻を合わせると二段書きで1,400ページを超える長編です。
『模倣犯』宮部みゆき 著という本です。
宮部さんの作品を読むたびに、直近で読んだ物語が私の個人ランキングにトップに躍り出ます。この作品もそうなりました。よくこれだけの作品を完成されたなぁ、と心から感動しています。
この物語の視点は一人ではありません。いわゆる三人称多視点という作品になります。それだけに個々の人物を克明に描かなければ、物語が成立しません。熟練された作家でも困難を伴う構成だと思います。
女性誘拐連続殺人事件が物語の中心です。犯人は二人。網川と栗橋という29歳の同級生です。具体的な人数は書かれていませんが、おそらく10人以上は殺害しています。
栗橋は赤ちゃんのころに死んだ姉の亡霊に怯える、心を病んだ人間です。その亡霊から逃れるために、女性を殺し続けるしかない異常者でした。ところが網川という人間は完璧なサイコパスです。自分が犯罪のシナリオを構成し、そのとおりに実行することに喜びを感じるという、舞台の演出家としての立場に生きがいを感じています。もちろんその舞台に登場する俳優は、殺された被害者たちです。共犯者の栗橋でさえ、網川にとっては自分のシナリオに登場する俳優でしかありません。
過去に映画化されているので、ストーリーをご存知の方も多いでしょう。でも近日にドラマ化されるので、ネタバレはやめておきますね。この小説を読み始めて、なぜ『模倣犯』というタイトルが付けられたのか疑問でした。
ところが最後の最後で、その理由がわかります。作家にとってタイトルは重要ですから、何か大きな意味があると思っていました。まさしくその推測どおり、このタイトルの言葉によって事件が解決します。なるほどなぁ、と舌を巻いてしまいました。
この物語の素晴らしいところは、加害者と被害者の家族に焦点を当てていることです。そのどちらの家族にも共通する思いがあります。それは、『自分のせいではないだろうか』という、自己を責める想いです。
もしあのとき私がこうしていたら、弟は犯罪を犯さなかったのではないか?
もしあのとき俺がこうしていたら、孫娘は被害にあわなかったのではないか?
どちらも自分のせいではないのに、自分自身を責めます。そうせずにおれないのです。どう考えても悪いのは犯人です。でも加害者と被害者の家族にとって、そんな簡単に割り切ることができません。自分の罪を想うことなしに、事実を受け入れることができないのです。
そうした人たちの心の動きが、中立的な立場であるルポライターの前畑滋子を通じて描かれています。そして滋子自身も自分を責める強い後悔を抱きながら、彼女の機転によって事件が解決します。ドラマで中谷美紀さんがどのような滋子を演じるか、今から楽しみです。そして過去に映画化された作品も探してみようと思っています。映画では滋子の役を、木村佳乃さんが演じられているそうです。
さてさて、次の本が待っています。どんどんインプットしていきますよ〜〜!
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