失くすとわかることがある
ここのところ外出しても空気が乾燥していて快適でした。でも今日は蒸し暑い。外に出た瞬間、一昨日より湿度が上昇している、とはっきり感じました。
湿度が高いと不快指数が増し、なんとなく身体が重く感じます。もちろん重いのは体重のせいもありますけれどね(笑)
そうだとしても例年に比べたら過ごしやすい。7月の下旬ならば、うだるような暑さが当たり前ですからね。そして真夏ですが秋も近づいてきています。
逆光で曇っているので見づらい写真ですが、この木は柿の木です。折り重なる葉っぱの中ほどに、同色の柿の実がなっていました。まだ小さくて青くて、キンカンくらいの大きさです。でもちゃんと柿の形をしていました。
夏真っ盛りですから、暑さばかりに気がいきます。でもこうして秋は始まっています。神経を研ぎ澄まして自然が持つダイナミズムを感じていると、自分の心の奥深くで何かが共鳴するような気がします。素敵なものを見せてもらえました。
人間というのは一度に多くの情報を受け取っています。ところが意識はそのすべてを完璧に捉えることができません。どうしても目立つものだけがクローズアップされて、ヴォリュームの小さいものに関しては無視する、あるいは存在しないものとして処理してしまいます。
先日夏風邪をひいているとき、あまりのしんどさゆえに、夏の暑さを感じなかったのと同じです。優先することが先に意識を占めますので、他のものは追い出されてしまうのです。かといって暑さを感じていなかったわけではありません。どこかでは感じているのです。
同じようなことを最近感じています。風邪はほぼ治っているのですが、まだ嗅覚が完璧ではありません。私は『犬並みの鼻』と言われるくらい、香りには敏感です。ところがここ数日、完全に嗅覚が麻痺していました。
最初に気づいたのは料理を食べたときです。食欲は戻っているのに、いつもと味が違います。味は味覚で知覚するものですが、実際は嗅覚も含めて総合的な判断をしているのですね。もちろん視覚も関係しているはずです。歯ざわり等の聴覚も味を構成するものでしょう。
五感をフルに使うことで料理の味を知覚しているのがよくわかりました。嗅覚を失うだけで、いつもと味が違うのです。失くしてわかることがあるのですね。
もっとも顕著だったのはカレーパウダーです。馴染みのカレー屋さんから、30種類以上のスパイスをブレンドしたカレーパウダーを分けてもらっています。塩や油脂が含まれていない、純粋にスパイスだけが調合されたものです。
どんな料理にも合うのでよく使うのですが、料理をしていてもそのスパイスの香りがまったくしません。いつもなら袋を出しただけで香ってくるのに、料理中も食べているときも、無反応でした。スパイスというのが、どれほど嗅覚に依存しているものなのかよくわかりました。
こうしてある機能を失くすことで、その大切さがわかります。どうしてもメインの感覚が優先されますから、補助している他の感覚に気づかないものです。風邪をひくことで改めて教えてもらえました。そしてこの気づきは、さらに広げることができます。
私たちは五感を使って生きています。でも決して五感だけではありません。第六感といっていいような、五感を超越した感覚も無意識で使っています。ところが五感の世界がリアルなので、そのことに気づきません。先ほどの嗅覚と同じ状態ですね。
私たちはこの現実世界を五感だけで捉えているのではない。そのことを自覚して、いつも五感の陰に隠れている第六感に感謝しなければいけないなぁと思っています。何となく危険だと感じる人や車から、そうした感覚によって救われているかもしれません。なぜだか迷うことで、買わなくてもいいものを買わずに済んでいるかもしれません。胸騒ぎや虫の知らせというものは、決して無視するべきものではありません。
目に見えたり、耳で聞こえたり、触れたり、味わったり、香ったりするものだけがすべてではありません。そういうものでは知覚できない情報も、私たちは常に受け取っています。第六感に関しては、失くしてわかるということは経験したくありませんね。大切にしなければと思います。
少しずつですが嗅覚が戻ってきました。今日はカレーを作ります。スパイの香りを感じられたらいいなぁ。
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