突き抜けようとするパワー
ちょっと夏に逆戻りの神戸です。空気は乾燥しているのですが、どことなく風が暑い。きっと台風が近づいているので、熱風が混ざっているのだと思います。今のところ九州から近畿へ近づきそうですので要注意です。でも適度な雨をもたらしてくれたらいいな、とちょっぴり期待もしています。
近隣の小学校は、今日から給食もスタートしているようです。夏休み前と同じように、午後3時を過ぎると子供たちが帰宅する声が聞こえてきました。バルコニーからグラウンドが見える私学の女子中高も、昨日から元気な生徒たちの声が聞こえています。といっても明日は土曜日ですから、また休みですね(笑)
わたしが社会人になるまで、土曜日は学校へ通うのが当たり前の時代でした。いわゆる「半ドン」というやつです。ところがわたしは社会人になっても、中小企業的な職場を転々としてきましたから、完全週休二日というのをいまだかつて経験したことがありません。だからフリーランスになった今でも、土曜日といえば学校に通ったり仕事をするイメージを持っています。現代の子供たちにすれば考えられない感覚でしょうね。
それどころか今は年中無休で営業している感覚です。最近はどこまでが仕事でどこまでが余暇なのか、まったく区別ができなくなってきました。本を読んだり映画を観ている時、楽しみつつもかなり真剣にインプットしようと神経をとがらせています。楽しみでもあり仕事でもあります。今日も素敵な映画を観ました。
『フェーム』という1980年に公開されたアメリカ映画です。この映画の存在は知っていましたが、縁がなくてずっと観ていませんでした。今回が初見なのですが、実に素晴らしい。今までも見逃していたのを後悔するほど、素敵な作品でした。
舞台はニューヨークの芸能高校です。ダンス科、音楽科、演技科と専門が分かれています。4年制の高校なので一般教養も勉強します。数人にスポットを当て、入学試験から卒業までの4年間を描いた作品です。
1980年といえば、わたしは18歳。まさにこの映画の登場人物たちと同じタイムラインで生きていました。だからその時代の音楽の流行や、当時の若者が心に抱えているもの、あるいは時代的な背景がよく理解できます。
とにかく個性的なキャラばかり登場します。その誰もが溢れるほどの才能と押しつぶされそうなコンプレックスを抱え、期待と絶望、自信と不安の間を常に行き来しています。才能があっても成功するのはほんの一握りの世界へ飛び立とうとしています。それはダンスでも音楽でも俳優でも同じ。だから誰もが突き抜けようと必死になっています。
まだ磨きがかけられていない原石のような才能ですが、その世界で生きていこう、突き抜けていこう、とする高校生たちのパワーがスクリーンに満ちています。この映画を観ているだけで18歳当時のわたしが息を吹き返し、今の自分にそのパワーを送り込んでくれているように感じました。
卒業が決まり、ラストでは卒業公演が行われます。すべての学科を一つにまとめた演出になっていて、感動して思わず涙が出てきました。歌唱力の才能を持つココという女性をアイリーン・キャラが演じています。この映画の主題歌を歌ってブレイクし、その後に公開された『フラッシュ・ダンス』の主題歌でワールドヒットを飛ばした歌手です。やっぱりすごい歌唱力です。聞き惚れてしまいました。
これはきっと1980年だからこそできた映画でしょう。2009年にリメイクされているそうですが、どうもパッとしなかったようです。現代のアメリカの高校生を描く音楽ドラマなら、やっぱり海外ドラマの『グリー』のような作品になるのでしょうね。わたしは『グリー』も大好きですけれどね。
欲をいえば4年間を2時間でまとめてしまうことに、ちょっと無理を感じました。個々のキャラが素敵なので、『グリー』のように連続ドラマで制作すれば、もっと登場人物たちが生き生きとしてくるように思います。それでもなんども観たくなる、とっても元気の出る映画でした。
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