過ぎ去りし王国の城
台風13号が近づいていて、大雨の予報。昨晩までの天気予報は完全に雨。でも朝になって予報は変更されていました。
雨どころか、かんかん照り。蒸し暑くて真夏のような1日でした。どうも最近の神戸は雨に嫌われているようです。確かにわたしは晴れ男ですが、いくらなんでもこれだけ雨が降らないと困ります。いったいどこで雨が降っているのでしょうか?
昨日の散歩中に見つけたススキです。台風ばかり来ていますが、秋も早く来てね、とススキが言っているように見えます。わたしの心の声かな?
さてさて、昨晩はとんでもない本を読了しました。
『過ぎ去りし王国の城』宮部みゆき 著という本です。昨年の4月に出版された作品ですので、比較的新しい小説です。
中編という分量の小説です。集中すれば3時間ほどで読めてしまうと思います。ジャンルにこだわらず執筆される宮部さんですが、この作品はホラーファンタジーという感じになります。
これ、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ面白いです! 宮部さんの作品を読むたびに驚いていますが、とにかくこれは凄い!
物語の発端から、その展開から、そして結末まで、驚くことばかりです。まだ読まれていない方が多いと思うので、決してネタバレはしません。安心してください。どのような雰囲気の物語なのかだけ、少し紹介します。
主人公の尾垣真は推薦入試が決まった気楽な中学3年生。両親はレストランを経営していて、その手伝いで銀行に行きます。そこで古城が書かれた絵に出会います。紆余曲折があって、その絵が真の手元にやってきます。ところがその絵は普通ではありませんでした。
その絵のなかに入ることができます。と言っても身体ごと入れるわけではありません。アバターとしてその絵に人物や動物を書き込み、それに手を触れるとその世界を体験できます。ところが絵が下手な真ですから、思うように体験することができません。
そこで同じ推薦入試で時間を持て余している城田という女生徒に接触します。いじめを受けている城田ですが、絵の天才でした。その城田にアバターを書いてもらうことで古城の世界に侵入します。そして真は小さな女の子が城の塔に囚われているのを見つけます。
興味を持った城田もアバターを書き込み、二人で探索することになります。でもその絵を探索しているのは二人だけではありませんでした。パクさんという漫画家のアシスタントが侵入していました。そして3人でその絵の秘密を見つけることで、物語が急速に展開していきます。続きは読んでくださいね。
人間の生と死、死後世界、パラレルワールド等がモチーフになっています。さらに社会問題となっているいじめ、幼児虐待、貧困等の世相が強烈な影響力で物語に投入されていきます。そして自分たちの人生を変えようとする3人の決断によって、驚くべき結末が待っています。
宮部さんのようなベストセラー作家に言うのは失礼ですが、脱帽としか言いようがありません。奇想天外な出来事なのに、無理なくすっとストーリーが入ってきます。そして物語に引き込まれ、気がついたら真たちと一緒になって古城の秘密を探っている自分に気づきます。恐るべき宮部ワールドです。
とにかくこれはオススメですよ。ホラーやファンタジー好きな方は是非読んでみてください。いよいよ宮部さん原作の『模倣犯』のドラマが来月に放送されるようです。これもすごい物語でしたから楽しみにしています。
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