SOLA TODAY VOL.28
Airbnbが日本でもかなり浸透してきました。ホストとして登録した人が、自分の所有している空き部屋を低価格で貸し出すシステムです。日本ではようやく民泊の規制が緩和されつつある段階ですから、これからさらに広がるでしょう。海外で利用した人の声を聞いていると、かなりいい部屋が安く借りることができるそうです。ところが困った問題が起きています。
Airbnbではびこる差別 シェアリング・エコノミーの深い闇
Airbnbは9月8日、差別防止策を公開しました。そうせざるをえない状況が起きたからです。
「俺はニガー(黒人の蔑称)は嫌いだ。だからお前の申込みは無効にする。ここは南部だよ、きみ。別の場所を見つけな。ニガー野郎」
ある黒人の男性がホストに宿泊申請をすると、こんなメールが返ってきました。ひどい内容です。この男性はこの事実をTwitterに投稿することで拡散させました。驚いたAirbnbのCEOは、このメールを送信したホストを永遠に登録禁止にしました。当然ですね。
実はこうした事態は以前から起きていたようです。黒人の男性が申請すると、満室で予約が取れないという返信が返ってきます。ところが白人の友人に同じ宿を申請してもらうと、すぐに予約できました。
この記事でも実験された結果が出ています。黒人によく使われる名前で申請すると、かなりの確率の高さで予約を拒否されることがあるそうです。これは日本人には理解しづらい部分ですね。ヨーロッパのレストラン等で日本人が差別を受けたという話を耳にすることがあります。ところが黒人に対する根強い差別は、そんなレベルではないようです。
差別は人種だけではありません。あるゲイの男性がLGBTのパレードに参加するために宿泊予約をするとこんなメールが返ってきました。
「LGBTの人はお断り。人類の敵は支持しません。すいませんね」
この男性は「これまで差別を受けてきたが、このメールほど傷ついた言葉はない」と述べています。わたしも文面を読んで寒気がしました。
でもこうしたことが起きることは予想していました。Airbnbは民泊の仲介ですので、各ホストは同社の社員ではありません。だから個人が持っている信条まで強制することができないからです。問題だと見なされる行動が起きた時に、そのホストの登録を解除するしか方法がありません。
これは同じシステムを持つタクシーのUberでも起きているようです。レズビアンのカップルが乗車すると、強烈な差別用語を吐きかけました。当然ながらUberはその運転手の登録を解除しています。でも社員ではないですから、すべての登録者を教育するのは現実的に困難です。
このようなシステムは便利ですし、あらゆる分野に広がってくると思います。日本でも空いている自宅の駐車場を、スマホを通じて貸し出すシステムが稼働しています。一般の人同士が直接つながりを持つシステムは便利ですが、同時にこのような差別的な問題を引き起こすことが懸念されます。
4年後は東京オリンピックです。民泊の規制を緩和することで、Airbnbのようなシステムがさらに浸透していくでしょう。そして大勢の外国人が日本にやってくると思います。できればこの記事にあるようなひどい出来事が起きないことを、心から願っています。そして仲介会社も、何らかの適切な対策を講じるべきだと感じました。
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