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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.55

AIが囲碁のチャンピオンを破ったことで、将棋やチェスの世界にAIが当たり前のように参入していることを誰もが知ったことと思います。そしてそれは、プロである棋士にとっても無視できないことになっているようです。

 

三浦九段の不正疑惑(将棋)

 

今月に入って大きなニュースになっていたので、ご存知の方は多いと思います。竜王戦を控えた三浦さんの出場が取り消されました。その理由はスマホを使った不正疑惑です。確定的な証拠が提出されたわけではありませんが、将棋界のことをおもんばかった将棋連盟が苦渋の決断を下したようです。

 

リンクした記事は、本当に三浦さんが不正をしたのかどうかを検証しています。わたしは子供のころに将棋をやった程度で、知っているのは駒の動かし方くらいです。でもプロ、あるいは上級の人が三浦さんの打手を見ると、コンピュータを使った不正がわかるようです。

 

この記事を要約します。三浦さんは有名な羽生さんと比較すると、ややランクが落ちるA級レベルのプロだとのこと。ところが竜王戦等の高額賞金の試合になると、驚くような手で勝利します。完璧に不利な状態なのに、対戦相手が驚くような一手を放ち、たった10手ほど先で大逆転をするそうです。そんなミラクルな将棋は、羽生さんクラスでも滅多にできません。

 

ところが賞金が少額の試合では、格下の相手にボロ負けします。レーティングという平均的な将棋の技能を示した数値では並であるのに、ここ一番の勝負では最高クラスの技量を見せます。それはプロから見てありえない状態だそうです。

 

数え切れない対局をこなしているプロだからこそ、三浦さんの一手が「これは人間の思考方法ではない」と一目瞭然で見破れるそうです。それほど将棋の世界というのは奥が深いのでしょう。そして以前から三浦さんは、不自然な離席をすることで問題視されていたそうです。つまりトイレ等に行って、スマホを確認しているのでは? という疑惑ですね。

 

リンクした記事を読んでいただけたらおおよそわかると思いますが、証拠がなくてもほぼ間違いなく不正をしていたのは明らかなようです。あえて三浦さんを追い詰めないのは、将棋界全体のことを考慮した結果なのでしょう。

 

でもわたしがこの記事に注目したのは、この不正が『冤罪』かどうかが気になったわけではありません。あくまでも仮定としてですが、もし三浦さんが不正を行っているとしたら、どのような心理だったのかということに興味があったからです。

 

将棋のプロになられたわけですから、相当の才能と実力があったのだと思います。そして努力もされたでしょう。でもAIが登場してきて、自分では考えられないような打手を教えてくれる。そうすれば強い相手にも勝てる。そんな事実に愕然とされたのではないでしょうか?

 

今までやってきた自分の努力が、一瞬で消し飛んでしまうような気持ちだと想像します。わたしの立場だったら、どれだけ必死で小説を書いても、AIが自動で書いた小説に勝てないという状況です。それならいっそAIに書いてもらおうか、という発想になるのはわかるような気がします。

 

でもわたしは自分で書くことを選びます。なぜなら書くことが好きだから。AIと自分を比較すること自体、想像したこともありません。自分の代わりに他の存在が書いてくれたとしても、思い悩んだすえに完成した喜びを体験することはできません。その作品が駄作だったとしても、言葉にできない達成感を得ることができます。それは実際に書いた人だけのものです。

 

将棋と小説は違うよ、と言われるかもしれません。でももし三浦さんが不正をしていたとしたら、きっと将棋を打つことが楽しいと思われなくなったのだと思います。日本で初めてのプロゲーマーとなった梅原大吾さんが著書で書かれていたように、目標と目的の違いが見えなくなっているのではないでしょうか?

 

勝負に勝つこと、あるいは賞金を稼ぐことが目標だったのに、いつしか目的にすり替わってしまっているように感じます。でも勝てないことだってあります。羽生さんのような天才もいるわけですから。でも勝つことが目的になってしまっていると、何が何でも勝たなくては自分の存在意義が消えてしまいます。

 

そんな時AIが手元にあれば……。

 

もし不正をされているとしたら、日々辛い人生だろうなと思います。あくまでもわたしに置き換えた発想ですよ。わたしは小心者ですから、不正を続けることに精神が耐えきれるとは思えません。常にビクビクして暮らすことになるので、精神的に破綻してしまうと思います。

 

不正をしたというレッテルを貼られてしまって、この先三浦さんがどのような活動をされるのか興味があります。このまま将棋界で生きていくのなら、今後はスマホを使うことはできません。そうすると自分の実力で勝負するしかないですよね。そのことに耐えていけるのでしょうか?

 

このブログのわたしの意見は、あくまでも不正をしていたという前提で書いています。もし「冤罪」だったら、申しわけありません。でも不正をしたかどうかに興味があるのではなく、不正をするという心理に興味を持っただけです。とても心を惹かれた記事だったので、ブログで取り上げてみました。

 

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コメント (3件)

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  1. そらさんコメントに回答ありがとうございます。
    確かに将棋にしても囲碁にしても持ち時間の長いタイトル戦なんかは2日かかっちゃいますものね
    将棋に限らず他の分野でもこの手のことはおきそうですね

  2. 暁美ほむらさん、コメントありがとうございます♪

    わたしもそう思います。プロになって稼げるというのは、本当にすごいことです。
    そこまで来られた三浦さんは、将棋の才能を持ち、努力を重ねてこられた結果だと思います。
    でも結局はお金を稼ぐ目的のための手段になってしまった時点で、より効率的なことを求めてしまうのでしょう。
    常に精進を必要とする技量の成長よりも、単純にAIを使うほうが儲かりますものね(笑)

    どうやら将棋界もスマホの持ち込み禁止になっているようです。
    でも二日にわたって対局をする場合、自宅やホテルに戻ってまで制限することは難しいですよね。
    ある程度相手の出方を予測して、初日の夜にAIで翌日のシミレーションをするのは可能でしょう。
    誰かと組んで不正をすることも可能ですよね。
    そうなると、また違った不正の方法が見つかりそうです。
    勝ち続けることの難しさを感じる出来事ですね〜!

  3. こんにちは、将棋に限らず 好きでやってるか 好きではないけど、
    お金を稼ぐ手段としてやってるかでしょうね 三浦さんはおそらくお金を稼ぐ手段として
    将棋をやってるように思いますね、三浦さんに限った話でなく アメリカのプロバスケット
    の元プロ選手が本当はバスケットなんか好きじゃねえ 自分生まれつきスポーツにむいてるタイプで
    バスケットは大金が稼げてなおかつ自分にはむいてそうだから
    その道にすすんだだけ 一生働くなんて嫌だからだよ 自伝本で書いたことは嘘だよ
    自伝本書いたのも金くれるからだし なんて本音をはきだしてましたし
    ハリウッド女優のハルベリーさんも似たようなことをインタビューで答えてましたね
    結局こういうタイプの人たちは 将棋でもバスケでも手段にすぎないので 不正でも確実に
    大金が入れば やるんでしょうね
    だからといって三浦さんも不正してるだけならここまでこれませんし
    そもそも将棋のプロ養成所である奨励会に入れる子たちというのは小学生や中学生で
    大人のアマ初段や二段と互角にさすような 天才児ばかりなんですよね でも奨励会に入っても
    奨励会を卒業してプロになれる子は少ないんですよね
    さらにプロの頂点であるAクラスまであがるというのは並み大抵ではないですし
    同じ才能のあるものの集まりですので 努力だけでなくいろいろ工夫したりとかしないとダメですしね
    今後はチェスみたいにスマホや携帯のような端末の持ち込みは禁止の方向にいくのですかね


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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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