想定外を想定内に
今日も気持ちのいい天気です。ちょっぴり肌寒く感じるくらいです。自宅にこもってバルコニーの景色を眺めていますが、ほとんど雲のない空が朝から夕方になっても続いています。明日の文化の日もいい天気なのかな。
昨日のブログはハエの写真に驚かれた方もいるでしょうが、今日はこんな可愛い昆虫です。
昨日の散歩中に出会ったカマキリです。カマキリの子供って見たことありますか？ 人間の指の先ほどの大勢のカマキリの赤ちゃんが、うじゃうじゃと大量に卵から孵化します。でもほとんどが捕食されてしまうので、ここまで大きく育ったこのカマキリは、数々の試練をくぐり抜けてきたのでしょう。
コインパーキングに駐車中の車のドアにいました。警戒してわたしを見ていますね。あまり驚かしてはかわいそうなので、撮影させてもらってすぐに立ち去りました。今日もどこかで過ごしているのかな？
今日は週に１度の36時間断食なので、時間を有効に使えます。過ごしやすい気候なので仕事を頑張るつもりでしたが、調子に乗って映画を２本も観てしまいました。ということで今日はお休みモードですので、このブログをアップしたら読書に専念したいと思っています。
さて、昨晩に読了した本です。
『ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質 下巻』ナシーム・ニコラス・タレブ著という本です。
先日に紹介した本の下巻です。上巻の時にも書きましたが、見事に脳みそをシェイクしてもらえました。著書は激しい内戦が続くレバノンの生まれです。ヨーロッパやアメリカに出ることで故郷を離れ、トレーディングの仕事についていました。だから常に危機感とリスク管理について考え続けてきたのだと思います。いまだ故郷に帰ることはできず、主にニューヨークで暮らしておられます。
想定外という言葉があります。アメリカで起きた911や日本の東北の震災は、まさにその言葉を象徴するような出来事です。いつ、そして何が、どのような規模で起きるかわかりません。だからこそ恐ろしいですし、人命や財産を含めて多くのものが失われてしまいます。このような出来事が身近で起きれば、何も影響を受けずに済むわけがありません。直接的な被害がなくても、何らかの精神的な影響を受けます。
その悪影響は想定外であることによって、さらに増幅されます。しかし今日の現代社会において、想定外のことが起きることは避けられそうもありません。だったらそのことを自覚するだけでも、ある程度のリスク回避になるのではないでしょうか？ 想定外の出来事が起きる可能性を、想定内にしておくべきです。
今年の日本を見ていてもよくわかりますよね。地震や火山の噴火、あるいは台風や大雨等、想定外だと報道される出来事ばかりです。来週に迫ったアメリカの大統領選挙でも、想定外の結果が待っているかもしれません。そのような不確実性を有する現代社会をどう捉え、どのように対処していくべきかを知りたい方は、ぜひこの本を読んでみてください。
上巻に書かれていた例え話ですが、とても印象に残っているものがあります。七面鳥についての話です。自分が七面鳥のヒナだと想像してみてください。毎日笑顔で人間が餌を持ってきてくれます。お腹いっぱいに食べることができて、外敵に襲われることなく安心して眠ることができます。そうして1000日間を過ごしていたら七面鳥である自分は、人間がとても親切で信頼できると思うはずです。
ところが1001日目が感謝祭だったとしたら……。
たった１日ですべての価値観がぶっ飛んでしまいます。これこそが著者の言うところの『ブラック・スワン』です。1000日間が平和だったから、明日も平和にちがいない。そう思って思考停止している人がほとんどです。アメリカの金融危機で言えば「ブラック・マンデー」や「リーマンショック」のようなものが『ブラック・スワン』ですね。でもこの著者は、そうした金融危機の時に利益をあげています。あるいは大幅な損失を防いでいます。
平和ボケしている人たちに対して辛辣な言葉が並べられていますが、とても刺激的な本でした。この本の意味するところと違いますが、「今日を最後の日として生きる」というわたしの信条に合致する内容です。とても勉強になった本でした。
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