人と違う何かって、何?
昨晩から強い雨が降ったようで、今朝起きるとバルコニーの手すりがかなり濡れていました。でも運良く外出前に雨はあがり、傘なしで買い物から戻って来ることができました。太陽は見えませんが、気温が高いのでとても歩きやすかったです。
JR六甲道駅近くの公園です。落ち葉が綺麗だったので、思わずシャッターを押してしまいました。秋らしい雰囲気ですね。
明日の20日は神戸マラソンがあります。晴天になりそうなので、地元のサンテレビの中継を見るのが楽しみです。国道2号線は須磨から垂水あたりまで美しい海岸に沿っています。その道を選手たちが走るので、テレビで見ているだけで爽快な気分になります。
招待選手はタイムを競って最初からぶっ飛ばすでしょうが、一般参加のランナーたちは自分のペースで景色を満喫することができます。普段は車しか通れない道を自分の足で走れるので、とても気持ちがいいでしょうね。フルマラソンをする気はありませんが、ランナーたちの様子を見て楽しみたいと思っています。
さて、先日観た『スタア誕生』という映画でのセリフが気になって考えていました。まだ無名だったエスターの才能を見抜いたノーマンが、彼女に言うセリフがあります。「きみは人と違う何かを持っている」と。
この「人と違う何か」というものは、いったいどのようなものか考えてみました。
「才能」と言ってしまえば簡単です。確かにそうでしょう。でもわたしは、もっと普遍的な意味合いを持ったセリフだと感じました。「人と違う何か」というものは、実は誰でも持っているものなのではないでしょうか? あえて言語化するのならば「個性」という言葉のほうが適しているように思います。
どんな人にも「個性」は存在します。ただしわたしたちが他人の「個性」だと思っているものは、実際はその一部でしかないように感じます。まだ物心つくかつかないころの子供は、とても個性的だと思います。でもいつしかそれを抑制していきます。社会という集団に放り込まれるからです。
自我がめばえてきて他人との壁を意識するようになると、自分がどのように見られるかが気になります。周囲の空気を読み、許容範囲から逸脱しないように気をつけます。「変なやつだ」とバレないように、必死で演技をするのではないでしょうか?
他の人はわかりませんが、少なくともわたしはそうでした。孤独になるのは嫌ですから、できる限り敵を作らないように注意します。いじめの対象になるのも避けたいですから。できる限り目立たないように、けれども存在感を示すよう意識していました。ずる賢い子供だったので、どうすればクラスの中心的な人物と仲良くできるかまで計算していました。憎ったらしいガキですね(笑)
だから小、中、高、そして大学と、わたしは疲れ切っていました。だって家を一歩出たら、演技をしなくてはいけません。楽しくなくても笑顔を作り、人を笑わせることで争いを避けてきました。自分の正体をバラしてはいけない。そう思って生きてきたのです。できる限り個性を出さず、かと言って存在感を消さない。ちょうどいい塩梅になるよう心がけていました。
それは社会人になっても残っていました。ただし学生時代以上のマジな競争にさらされますから、同じ状態では頭角を表すことができません。そこで自分の個性を生かそうと思うのですが、子供のころから積み上げてきた習慣が簡単に抜けません。「人と違う何か」を完全に見失っているのです。
フリーランスになって、ようやくそんな自分に気がつきました。自分を売り出すには、「人と違う何か」をクローズアップさせるしかありません。例えば小説に関して言えば、文章を書くという技術は必要でしょう。でもそれはトレーニングすることができます。しかし「人と違う何か」を表出させるには、自分の人生観を根本的に変えていかなければいけません。
『スタア誕生』のエスターは、「人と違う何か」を歌にすることができました。その「何か」とは、ありのままの自分でいることではないでしょうか?
ありのままの自分でいれば、敵を作るかもしれないし、嫌われるかもしれない。そう思うと二の足を踏んでしまいます。でもその壁を越えなければ、「人と違う何か」をアウトプットすることができません。自分の好きなことで成功するということは、ありのままでいることを自分に許せることではないかと思っています。
それは意外に難しいものです。そして怖い。アドラー心理学の解説本に『嫌われる勇気』というものがありますが、まさにその勇気が必要なのでしょう。出る釘は打たれるが、出ない釘は打たれない。そう思い込んでいる限り、「人と違う何か」を他人に感じてもらうことはできないと思っています。
わたしにとって「人と違う何か」は、本来の自分であることです。まだそうあることの恐れを抱えていますが、作品を通じて開放していくよう意識しています。
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