秒速5センチメートル
朝から眩しいくらいの青空が広がっていて、とても気持ちのいい気候でした。今夜から明日にかけてずっと雨が降るとは信じられないほどでした。でも天気予報どおり、夕方になって厚い雲におおわれています。明日は雨の外出になりそうです。
でもTSUTAYAに行って『レッド・ドラゴン』の最新版を借りてくる予定です。先週に行った時はブルーレイソフトしか残っていなかったので、仕方なく諦めました。でもきっとDVDソフトが戻っているでしょう。他にも借りたい映画があるので、図書館とTSUTAYAのはしごをする予定です。
今日は週に1度の36時間断食なので、ちょっぴりひもじい思いをして過ごしています。でも慣れているので、大したことはありません。むしろ使える時間の幅が広がるので、仕事や読書に集中できます。胃腸をリセットしながら、時間を有効に使えるので楽しんでいます。
時間というものは、そのひとの気持ち次第で伸び縮みしますね。1日24時間という物理的時間を変えることはできませんが、それをどのように過ごすかという心理的時間はその人それぞれです。そんな心理的時間は、必ずしも自分の自由になるとは限りません。抜き差しならない出来事に影響されて、心理的時間に翻弄されることがあります。
そんなどうにもならない心理的時間を描いた、とても切ない映画を観ました。その映画のキャッチコピーは「どれほどの速さで生きれば、きみにまた会えるのか」です。
『秒速5センチメートル』という2007年のアニメ映画です。言わずと知れた新海誠監督の作品で、今年は『君の名は』という作品で興行成績の新記録を樹立されています。劇場に行くことはできませんでしたが、『君の名は』は必ず観るつもりです。
恥ずかしながら新海誠さんの作品を観たことがありません。洋画を中心に観ることがほとんどで、最近はできる限り邦画も観るようにしています。だからアニメ映画も好きなのですが、どうしても後回しになってしまうのですよね。
現在公開中の『この世界の片隅に』という片渕須直監督の作品も気になっていますが、劇場ではなくDVDで観ることになるでしょう。もし劇場に行くとしたら、やっぱり来月の『スター・ウォーズ』を優先してしまいます。
そんなアニメに疎いわたしですが、この『秒速5センチメートル』という映画は、懇意にしていただいている方からお勧めしてもらっていたので、早くから観るべき映画のリストに入っていました。そしてようやく昨日、新海誠監督の作品に出会うことができました。
第一印象はとにかく美しい。アニメだとわかっていても、リアル世界を観ているような気持ちにさせられます。新海作品で映画になった場所の、聖地訪問をする人たちの気持ちがわかるような気がします。特に空の美しさは絶品ですね。ため息が出るほどでした。
それにしても切ない物語でした。3つの短編で構成されているのですが、主人公の遠野貴樹の中学生から社会人までを描いた作品です。トータルで1時間ほどの短い作品ですが、青春時代の思い出がチクチクと刺激されるような気がしました。たった1時間ですが、貴樹と一緒になって、愛する人と会えない長い時間を経験したような気がします。
多かれ少なかれ、同じような気持ちを経験した人は多いでしょう。この映画が愛されているのは、そうした人たちの哀愁を刺激するからだと思います。
少し調べてみると、新海監督の作品はSF的要素が強いそうですね。でもこの作品は唯一と言っていいほど、リアル世界を描いたものだそうです。この映像の美しさでSF的要素があるのなら、他の作品もぜひ観たいと思いました。『君の名は』はまだまだ先のことになるでしょうけれどね(笑)
この映画のような叙情的な作品を見ながら、つい突っ込みたくなるのがわたしの悪いクセです。例えば第1話の貴樹と明里が二人で夜を明かす場面です。13歳の娘が大雪の降る夜に友人を駅まで迎えに行って戻らなければ、大騒ぎになっているはずです。警察に捜索願が出されても不思議ではありません。
そんな無粋なことを考える人は、この映画を劇場で見ないのかもね(笑) わたしは小説を書いていますから、ついついそのあたりのリアリティを追求したくなってきます。それとこの映画はわたしにとって、どうしても真剣に感情移入できない要素があるのです。
それは挿入歌として使われている山崎まさよしさんの『One more time, One more chance』という曲です。
先代猫は三毛猫の凛ちゃんという女の子でした。10歳の誕生日を迎える前に旅立ってしまったのですが、その猫が亡くなってから仕事に向かった時、車のなかでこの曲が流れてました。
いつでも探しているよ どっかに君の姿を
交差点でも 夢の中でも
こんなとこにいるはずもないのに
奇跡がもし起こるのなら
今すぐ君に見せたい
新しい朝 これからの僕
言えなかった「好き」という言葉も
この歌詞を耳にして、自動車のなかで号泣しました。本当に凛ちゃんの姿を追い求めていたからです。それ以来この歌は、わたしにとって愛猫に捧げるものになってしまいました。
この映画においてこの曲が使われるのは当然でしょう。ぴったりと当てはまる歌です。でもわたしにとっては、この曲が流れただけで愛らしい三毛猫の姿が脳裏にくっきりと浮かびます。だから映画のクライマックスを迎えてこの曲が流れても、成人した貴樹、そして知らない誰かの妻になる明里の姿が消えてしまうのです。
これはとても個人的なことなので、どうしようもないですね。でもとても素晴らしい作品だと思います。出会えてよかったです。
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