ハンニバルの作り方
メリークリスマス〜〜!
という声が、今日はあちこちで交わされるのでしょうね。
でも我が家は昨日の昼間にクリスマスパーティーを済ませたので、今日はまったく普通の日です(笑) 朝から掃除をしてブログを書いて仕事。そして午後は時間を作って映画を観て、さらに仕事。あっという間に夕方になりました。
ダイエットの真っ最中なので、今年のクリスマスは慎重に料理を選びました。楽しい気分に流されてしまうと、食材もお酒も買いすぎてしまいます。ですからあらかじめ決めておいて、わき目も降らずに予定していた商品をゲットしました。
基本は妻とのシェア。例えばお刺身を買うとしても、一人前の量を買って二人で分けます。料理に関しては、去年なら一人分だった量を二人で食べることを意識しました。それでもお酒やケーキが追加されるので、カロリーは多めになってしまいます。
そんな計画がうまくいったようで、めちゃ楽しくてお腹もいっぱいになりすぎず、とてもいい塩梅でした。残るはお正月ですね。お正月もその作戦で切り抜けて、楽しく、美味しく過ごす計画です。来週の土曜日は、もう大晦日ですものね。
さて、昨晩に読了した本です。
『ハンニバル・ライジング』トマス・ハリス著という本です。
ずっと楽しんできた、殺人鬼であるハンニバルシリーズの最後の本です。読み終わった時、ハンニバルに会えないような気分になって、ちょっとさみしくなりました。とんでもない凶悪な犯罪者なのですけれどね(笑)
『レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』『ハンニバル』という作品は、壮年から老年に至るハンニバルを描いた作品です。ところがこの『ハンニバル・ライジング』は、少年時代から大学生時代の若いハンニバルを主人公にした物語です。
食人鬼であるハンニバルが、なぜあのような犯罪者となったのかを知ることができます。物語の始まりは1944年のリトアニア。名門貴族の御曹司であるハンニバルは、ドイツ軍の侵略によって城のような邸宅と家族を失います。
幼い妹と二人だけ生き残るのですが、ドイツ軍が敗退したことで今度はソ連軍がリトアニアに侵攻します。ナチスに味方をしていた人物たちは、戦争犯罪人になることを恐れて身を隠します。そんな男たちに囚われた二人は、想像を絶する悲劇にみまわれます。
逃亡生活で飢餓状態になった男たちは、弱っていた妹を殺して食べました。この時代はよくあった出来事だそうです。ハンニバルはソ連軍に保護されますが、孤児として暮らすことになります。ハンニバルの叔父はフランスに住む世界的に有名な画家で、やがて子供のいない叔父夫婦に引き取られます。
フランスで暮らすことになったハンニバルが、妹を殺した男たちに復讐するという物語です。天才的な頭脳を持つハンニバルは、誰も及ばないような素晴らしい成績で医学校に進学します。そこで医学の知識と経験を蓄えながら、戦争犯罪人たちを探します。
壮絶だったのは封印された自分の記憶を取り戻すために、警察の尋問で見た自白剤を自分の腕に打つシーンです。そこまでして妹を殺した男たちの顔を思い出し、やがて名前をつきとめます。その執念には感動を覚えるほどでした。
叔父は早くに亡くなりますが、叔母はハンニバルにとって母親のような、そして恋人のような存在でした。もし彼がまとまな人間として生きる人生を選ぶつもりなら、それを助ける力を持つのは叔母の紫だけでした。名前のとおり叔母は日本人です。でも結果から言えば、叔母はハンニバルの復讐心を癒すことはできませんでした。
ある本で読んだことがありますが、サイコパス=凶悪犯罪者ではありません。外科医、パイロット、スパイ等の職種で素晴らしい能力を発揮している人は、サイコパスの人が多いそうです。ハンニバルも教科書を一度読むだけですべて記憶してしまう頭脳を持っていますから、優秀な医師になるという道もありました。
サイコパスが犯罪者となるきっかけは、幼児のころの虐待等のトラウマです。ハンニバルの少年時代の悲劇を思うと、犯罪者となるのは避けられなかったのかもしれません。でも不思議と彼に嫌悪感を抱くことなく、むしろ応援していました。
それほど戦争犯罪人たちが、ひどい奴らだからです。読んでいる最中は、マジで皆殺しにしたくなりました(笑) 復讐を果たしたハンニバルの様子を思い浮かべながら、思わず心で拍手を送っていました。
ハンニバルが叔母を通じて日本文化を理解して身につけたことも、彼に親近感を持った理由です。まるで日本人の読者向けに書かれたような小説でした。彼が少年時代に初めて人を殺したのは、日本人である叔母を性的な言葉で侮辱した男です。紫夫人の家系に伝わる日本刀が凶器でした。
以前に『ハンニバル』を読了した時、このシリーズで最高の小説だと思っていました。でもこの『ハンニバル・ライジング』を読み終えて、甲乙つけがたいほどこの作品が好きになりました。それほど心に響いた作品でした。
さて、原作をすべて読んでしまったので、残るは『ハンニバル』と『ハンニバル・ライジング』の映画鑑賞です。できるだけ近いうちにTSUTAYAに寄って、これら二つの映画を借りてこようと思います。映像で観たら怖そうなので少しドキドキしていますけれどね(笑)
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