2016年もお世話になりました!
2016年大晦日の神戸は快晴です。朝からほとんど雲がなく、穏やかな1日となりました。きっと明日は素敵な初日の出を見ることができると思います。
阪急六甲駅の南にある六甲八幡神社では、初詣の人たちを迎える準備中でした。参道には露店も立ち始めていました。今夜から明日以降のお正月三が日にかけて、大勢の人で賑わうことだと思います。
今年もいろいろなことがありました。1年を通して作品を書き続けることができましたし、『永遠なる玉響(たまゆら)』の上下巻も発表することができました。長い年月をかけて構想を練り、仕上げることができた作品なので感無量です。
そして今年もっとも記憶に残っているのは、『Multipiy Radio』とうFM東海の番組に、7月の1ヶ月を通してゲストとして出演させていただいたことです。アートディレクターの鈴木明さんの優しさに包まれ、グラビアアイドルの杉原杏璃さんのオーラを眩しく感じつつ収録したのが、つい先日のように思います。
年が明けて2017年になりますと、わたしの処女作である『夢で会える 体外離脱入門』という本が出版されて満5年になります。紙の本はこの作品だけですが、電子書籍を含めると合計で7冊の本を出版させていただいています。
いつもブログの最後に出版した本の紹介を添えていましたが、さすがに長ったらしくなってきました(笑) そこでスッキリさせるために、『高羽そら作品リスト』とうカテゴリーを新しく設け、先ほどその記事をアップさせていただきました。
これからはブログの最後にその記事へのリンクを貼らせていただきます。記事には書籍の概略を記し、販売先へ移動できるようになっています。これから先もその記事に新しい作品を追加できるよう、来年も全力で書き続けたいと思っています。
さて、昨日は今年最後に観た映画を紹介しましたが、今日は今年最後に読了した本です。
『武器よさらば』アーネスト・ヘミングウェイ著という本です。
恥ずかしながら、ヘミングウェイの小説を今まで読んだことがありませんでした。どうも敷居が高いような、小難しいような先入観があって、なかなか手にする機会がありませんでした。
でも昨日のクリント・イーストウッド監督作品のように、『食わず嫌い』ではもったいないですよね。純文学が決して嫌いなわけではありません。学生のころは太宰治とトルストイが大好きで、全作品を読破しています。
ということで図書館で目についたこの作品を、手始めに読んでみました。
いや〜、完全に『食わず嫌い』でしたね。とても面白い小説で、読み始めたら止まりませんでした。スパッと切れのいい短い文章で構成されていて、そのリズム感に乗せられてしまいます。かなりの長編ですが、あっという間に読了してしまいました。
有名な作品なので、内容の紹介は割愛します。ヘミングウェイ自身が体験した第一次世界大戦について書かれた小説です。アメリカ人であるフレデリックが、イタリア軍の傷病兵搬送車部隊の将校として登場します。当時は連合国の一員として、そうした国籍を超えた配属が認められていたようです。
ヘミングウェイの経験とは少し時代が違うのですが、迫撃砲で重傷を負ったり、その病院で恋人と出会うフレデリックは、ヘミングウェイの体験に基づいて書かれたものです。結末は現実とは随分違ったようですが、フレデリックもヘミングウェイも同じ喪失感を覚えていたことだと思います。
前線の兵士ではありませんから、どこかのんびりした雰囲気で物語は始まります。ところが中盤以降からは、戦争の悲惨がじわじわと染みてきます。歴史的にも有名なカポレットの敗走のシーンでは、読んでいるわたしがその戦地にいるような気分でした。
そしてフレデリックがイタリア軍を脱走して恋人の看護師であるキャサリンとスイスへ逃亡するシーンは、まさに手に汗握る展開でした。この小説では戦争シーンの描写とイタリア軍の惨めな敗走がリアルに書かれていたので、ムッソリーニ統治下のイタリアでは発禁処分を受けていたそうです。作家としては逆に名誉かもしれませんね(笑)
悲劇ではあるのですが、フレデリックとキャサリンの二人の笑顔が心から離れませんでした。読み終わった今でも、ふいに思い出しています。こうなるとヘミングウェイの全作品を読みたくなってきました。来年の楽しみができましたね。
今年もブログを読んでいただいて、ありがとうございます。来年もこんな調子で記事を書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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