テレビドラマって、盛るよね(笑)
新しい年がスタートすると、必ず新しいNHK大河ドラマが始まります。昨年は『真田丸』が高視聴率をキープしたまま終えました。わたしも1年を通して楽しく見ることができました。
今年の大河ドラマは『おんな城主 直虎』です。『真田丸』より少し時代はさかのぼりますが、同じ戦国時代。どうしても比較されてしまうので、ちょっとやりにくいかもしれませんね。でも初日の視聴率はまずまずとのこと。
わたしも昨日、初回放送の録画を見ました。まだ主人公の幼少時代の物語ですから、判断するのは早すぎると思います。でも第一印象としては好きなドラマの雰囲気を感じましたから、これまた年間を通して見ていくことになると思います。
大河ドラマ以外の連続ドラマは、基本的にほとんど見ません。昨年に最初から最後までキッチリ見たのは、市川海老蔵さんが主演されていた『石川五右衛門』です。そしてもう一つ見ていたドラマがあります。
若手女優の波瑠さんが、民法初の連続ドラマで主演された『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』というドラマです。初回からずっと見ていたのですが、なんとしたことか、最終回だけ録画するのを忘れてしまいました(涙)
ということでこれは原作を読むしかない。そう思って昨日読了したのがこの小説です。
『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』内藤了 著という本です。微妙にタイトルはちがうのですが、内容はもっとちがいました〜〜!
驚いたことに物語のキャラの設定が全然ちがいます。正直いって笑えるくらいです。テレビドラマというのは、視聴率を稼ぐためにキャラを盛るんだなぁ、と改めて感じました(笑)
先にドラマを見ていますから、ついつい比奈子は波瑠さんをイメージしてしまいます。それはそれでビジュアル的に問題ありません。ところがキャラが別人なのです。長野出身で、どんなものにでも七味をかけるのは同じです。手帳を文字ではなく絵や記号で書くことも。
でもドラマのように、心に闇を抱えた女性ではありません。新人刑事として、かなり普通です。初めての殺人現場では吐きまくりましたし、猟奇殺人に異常な好奇心を持つこともありません。記憶力がいいのはどちらも同じですが、人間性として持っているものはまったく別のキャラでした。
さらに上司のガンさんこと厚田警部補。ドラマでは渡辺篤郎さんがかっこいい上司を演じていました。でも小説ではハゲ頭のオヤジです。さすがにドラマでは使えないキャラかな。
先輩刑事の東海林もまったくちがうキャラです。ドラマでは関ジャニ∞の横山裕さんが、異常なくらい犯罪を憎む刑事として登場しています。情報屋とつるんで、闇取引をしている刑事でした。
ところが小説の東海林は、めちゃ普通の刑事です。体型もぽっちゃり型で、とてもモテそうにありません(笑) わたしはドラマを見ていて、もっとも違和感を持ったのがこの東海林という刑事でした。原作を知らないのに何かちがうと感じたのは、まったく新しく作られたキャラだったからなのかもしれません。
原作とイメージの変わらない人物としては、原田美枝子さんが演じた監察医の石上妙子、林遣都さんが演じた中島保ですね。ジャングルポケットの斉藤慎二さんが演じた三木という鑑識官も、原作のイメージどおりでした。
原作ってドラマになると、こうも変わるんだなぁ、とつくづく思いました。テレビはチャンネルを変えられたらおしまいです。だから視聴者の目をひきつけなくてはいけませんものね。仕方ないことだと思います。
個人的には原作の小説のほうが、圧倒的に面白かったです。そして興奮しました。この小説は続編を合わせると合計で6冊あります。ドラマではその続編の部分も一部使っているようですね。でもドラマのように混ぜてしまうより、この『ON』のエピソードを丁寧に描くほうがよかったと思います。
この小説版の藤堂比奈子シリーズを気に入ったので、続編も随時読むつもりです。小説を読んでいる時の顔はドラマの俳優さんになりそうですが、そのキャラはすっかり小説版に置き換わりました。続編を読むのが楽しみです!
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。