SOLA TODAY Vol.146
今や、なくてはならないWi-Fi。17年前にインターネットを始めたわたしが知ったら、涙を流して喜ぶだろう通信システムです。
当時のネットは電話線経由のモデム接続です。ようやく無線LANが出始めたころなので、わたしはすぐに導入しました。ところが使いにくいことこのうえなし。一度接続が途切れると、復帰させるのに何時間もかけていたものです。
でも今の若い世代の方は、そんな苦労など知る由もないでしょう。それほどWi-Fiは簡単で使いやすくなっています。
ではこの先の無線技術は、どのように進化していくのか?
Wi-Fiの次に来るもの”Li-Fi”ーIoT時代の5GとLi-Fiの関係
現在新しいスマホを使っている人は、ほとんどが4GのLTEで接続できます。以前の3Gに比べたら格段に早くなっているのは歴然です。特に動画を見ることが多い人は、その恩恵を強く感じているはずです。
しかしすでに今年から5Gのインフラ整備が開始されます。4Gのスピードは100Mbps程度ですし、さらに早い光ケーブルでも2Gbpsです。ところが5Gは最大で20Gbpsという驚異の通信速度で、LTEの1000倍の大容量化が可能です。もう想像できません!
2020年の商用化が目指されていて、今年から本格的にテストが始まります。しかしやはり電波ゆえのデメリットがあり、室内では電波干渉や壁によって電波が減衰することを避けられません。航空機や手術室等でも、従来どうり使用することが難しい。
そこで研究が進められているのがWi-FiならぬLi-Fiです。これはLEDを使った光空間無線通信の一種とのこと。その仕組みをリンク先の記事から抜粋します。
『LED電球に定電流が流れると、電球からは可視光として光エネルギーが発せられます。電流がゆっくりと変われば、光の強さも変わります。LED電球は半導体製品なので、電流を変化させることができ、その一方で光は、光センサーで検知でき、再度電流に変換する超高速の変調が可能です。この技術により、情報はLED電球から高速で通信することができます』
簡単に言えば光を通じて通信するわけです。スピードは現在のWi-Fiの100倍です。十分すぎるスピードですね。
Li-Fiは光が届かない場所では通信できません。だからこそいいのです。現在のWi-Fiならば、パスワードさえわかれば隣の家のWi-Fiを勝手に使用することが可能です。でもLi-Fiの場合は光が届く室内でしか使えないので、セキリュティ面が向上します。
さらにLEDを使用するので、従来のWi-Fiに比べて格段に省エネ効果が高くなります。電波を使用しませんから、航空機や手術室でも使うことができます。実用化されたら、一気に広がっていくはずです。
実は2016年のiOS9.1のコード内から、Li-Fiの存在を示す文字列が見つかっています。AppleはすでにiPhoneでのLi-Fiの導入を視野に入れているということです。シンガポールでは国策として、Li-Fi導入を進めています。
日本のトヨタでは、このLED通信を使った自動車での応用を研究しています。自動運転車のセンサーとして利用できるかもしれませんね。おそらくここ数年のうちには、Li-Fiという言葉が浸透してくるでしょう。
まぁ、それにしても技術進化の早いことに驚きます。最初にも書きましたが、ISDNでネット接続していた時代はすでに歴史上の出来事になっています。ぼんやりしていると、何が何だかわからなくなるかもしれません。
でも便利になることはまちがいありません。だったら使わないともったいない。いつも感じていますが、どんな変化にも対応できるよう、頭を柔軟にしておく必要がありますね。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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