福原愛ちゃんて、やっぱすごい!
ボクは中学校時代に水泳部だった。自由形の短距離選手で、自分で言うのもなんだけれど、出身地の京都ではほとんど敵なしだった。
ところが上には上がいる。中学校2年生のとき、近畿大会でとんでもない選手を目の当たりにした。その人の種目は平泳ぎだったので、ボクと一緒に泳ぐことはない。でもスタンドから観戦していて、信じられない光景を見てしまった。
だって後続の選手と時間差でスタートしたのかと思うほど、圧倒的な差をつけて優勝していたから。その人はボクより1年上の滋賀県の代表選手で、名前を高橋繁浩という。そうメダルこそ取っていないけれど、ロサンゼルスオリンピックとソウルオリンピックに出場した日本代表選手だった!
高橋さんが世界ランキングで1位を獲得するのは高校へ入ってからだけれど、中学生のころですでに格がちがうのをはっきり感じた。やっぱりオリンピックに出場する選手というのは、少年時代からすごいのだと思う。
ところがもっと若い、わずか4歳からそんなすごさを見せた少女がいる。それが卓球の福原愛さん。先日彼女のドキュメントが放送されていて、録画したものを昨晩に見た。
『だから君を見つめてきた〜卓球愛ちゃん独占密着24年・完結編〜』というフジテレビの番組。
現在は28歳の福原愛さんを、フジテレビが4歳から24年間密着した記録を2時間足らずで編集したもの。彼女がロンドンとリオオリンピックでメダルを取るまでの過程が、とてもわかりやすくまとめられていた。
少女のころからテレビで話題になっていたから、ボクもよく記憶している。でも実際に試合をしている映像を見て、素人目にも他人とちがうことが歴然としていた。たった4〜5歳で、小学校2年生の選手に圧勝している。相手は手も足も出ない。
それは彼女に才能があったからだろう。そして母親がマンツマーンで指導してくれる、という環境も大きいはず。でもそれだけじゃない。
どんなことがあっても卓球をやめない、練習をひたすら続ける。その圧倒的な努力があったからこそ、オリンピックに出場してメダリストになれたのはまちがいない。それはすでに才能や環境という要素を、はるかに超越しているほどの努力だと思う。
彼女のそんな努力を見ていると、自分に才能がない、環境が整っていない、と挫折する人の言葉はただの言い訳にしか聞こえない。
12歳のときに母親と離れて単身で中国に卓球留学したことも、並大抵なことではできないと思う。どれほど心細くて、辛かったのか、想像しただけでも胸が痛くなる。でも実際に彼女が経験している苦悩は、そんなボクの想像をはるかに超えたものだろう。
ずっと見ていて、とても勇気をもらえる番組だった。人間がある壁を突破するためには、あれほどの努力が必要なのだと痛感した。それを運がいいとか言えるのは、その努力を経験していない人間のたわごとだと思う
それにしても結婚した彼女は、とっても幸せそう。そんでもって台湾のご主人はめちゃイケメンで優しそうだよね。卓球選手としての彼女は、若手に道を譲るべき時が近づいているのかもしれない。でもきっと東京オリンピックでも、彼女の選手としての姿が見られると思っている。
この二人に子供が生まれたら、やっぱり卓球をやるのかな? 遺伝子的にはすごい能力を持っていそうだよね。だけど遺伝子なんて所詮は設計図でしかなく、それを形にするにはとんでもない努力が必要。それを選択するかどうかは、その子供の自由だものね。
とても見応えのある、素晴らしいドキュメントだった。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする