SOLA TODAY Vol.174
ちょっとしたポイントをゲットするのに、ネットでアンケートに答えることがある。仕事のすきま時間の気晴らしにやっている程度だけれど、今自宅で使っているコーヒーメーカーは、そのポイントを利用して無料で手に入れた。
アンケートの傾向を見ていると、面白いことに世相が見えてくる。最近多いな、と思っていたのがカードローンに関するアンケート。それも昔の消費者金融ではなく、大手の都銀が運営しているものばかり。どうやらその傾向は事実のようだ。
2006年に貸金業法が大幅に改正された。そのことによって、それまで隆盛を極めていたサラ金的な業者が軒並み廃業に追い込まれている。なんとか生き残った会社も、「過払い金返還請求」なるものによって追い詰めらている。
1986年には47,000社ほどあった貸金業者が、昨年末には1,876社まで落ち込んでいる。だったら消費者ローンを利用している人も減っているのでは? そう思うのが普通だよね。
ところが消費者ローンの貸出額は伸び続け、過去のピークを超えそうな勢いになっている。それは銀行がカードローンの分野へ本格的に進出したせいだ。2006年の改正では、貸金業者は個人の年収の3分の1までしか貸せなくなった。
ところが銀行にはその法律が適用されない。極端な話、年収がゼロの主婦にでも貸すことができる。だから過去のサラ金業者は銀行の傘下に取り込まれることになり、銀行が実質的に消費者金融化しているという実態らしい。
借りている年代層は、以前と同じく20〜30代の若い世代が中心だ。でも最近は中高年層も増えてきている。その最たる理由は医療費とのこと。さらに過去の貸し倒れをやってしまった人でも、5年経過するとその記録が消える。
過払い金返還請求の記録は他社と共有されないので、別系統の金融機関なら新規の顧客としてお金を借りることができるらしい。だから中高年層の利用者が増加している。リピーターが多いということだね。
この記事を読んで最初に感じたのは、いよいよ銀行の終末が到来したかな、という印象。
フィンテックという言葉が日常になって、従来の銀行業務の必要性がなくなりつつある。さらにビットコイン等の新しい通過概念が一般化することで、国家紙幣に支えられていた銀行の基盤が大きく揺らぎ始めている。
とりあえず収益を上げるためにカードローンに注力しているが、いずれ頭打ちになるのは目に見えている。地方の信金や地銀では、いよいよ断末魔の声が聞こえ始めるかもしれない。
最終的に残るのは、大手の都銀だけかもしれないね。消費者金融で稼げるだけ稼いでおいて、大企業の力技でフィンテックの流れを引き寄せようとするはず。日本において銀行員が安定した職業であるという概念は、近いうちに崩壊するように思う。この記事を読んでそう感じた。
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