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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.181

先日京都駅へ行ったとき、人の多さに辟易した。日曜日だったということもあるだろうけれど、急に方向転換できないほど人の波が押し寄せてくる。

 

勝手知ったる京都駅だから問題なかったが、初めて訪れた人は右往左往するだろうと思う。その大勢の人で目立つのが、やはり外国人。いわゆるインバウンドと呼ばれている人たち。なかでも中国人と思われる人がとても多い。

 

それは神戸でも同じだけれど、とてもありがたいことだと思う。現在の日本は観光に依存しているところがあるので、大挙して訪れてくれる中国の人たちの恩恵は計り知れない。

 

けれどもそんな中国の人たちが、来日を中止するような出来事が起きている。

 

日本が危ない!? 福島原発の放射能フェイクニュースが拡散中

 

その発端は、2月2日に発表された東京電力の報告。

 

「福島第一原発2号機の原子炉格納容器内の放射線量が推定で毎時530シーボルトというきわめて高い水準にある」

 

日本人にとっては、別に気にとめるようなニュースではない。東京電力も単なる経過報告のつもりでの発表だった。あくまでも原子炉格納容器内でのデータであり、今はこんな状態ですよ〜、と報告しているだけ。それが原発の外部に漏れ出ているわけではない。

 

ところがこのニュースが中国のメディアに載ると、こうなってしまう。

 

「緊急通達! CCTVも報道、日本に行くのは命を捨てるのも同然」


「秒速で死亡! 福島の放射能が突如大逆流」


「特大突発ニュース:核燃料は流出していた! 即死レベルの放射線」


「日本福島原発の放射線量が”爆表”! 数十秒浴びれば人間は死亡」

 

冗談はなく、マジでこのような内容で報道されているらしい。これは誤解というよりも、悪意を感じる報道内容だと思う。

 

これに関して中国外交部や中国大使館は否定するどころか、あえて懸念を表明している。官民こぞってフェイクニュースを拡散している状態。

 

当然ながら日本に旅行を計画していた人たちの問い合わせが殺到して、この記事の著者である日本在住の中国人の方は、それがデマだと伝えるのにかなり苦労されている。この記事を書かれたのも風評被害を防ぐためだった。

 

嘘ぱっちのフェイクニュースは英語になって他国にも流れ、オーストラリアからも問い合わせが殺到しているらしい。メディアのこのような大げさな、というか事実に基づかない記事によって、大勢の人が混乱に巻き込まれている。

 

好意的に見れば、このような中国の人たちの反応には理由があるとのこと。1986年にチェルノブイリで原発事故が起きたとき、まだネットが普及してない。だからほとんどの中国の人たちは、その事実を知らなかった。情報の鎖国状態だったから。

 

だから2011年の震災による福島第一原発の事故は、中国人にとって原子力の脅威をもっとも身近に感じた出来事だった。だからこんなとんでもない記事になるのかもしれない。まぁ、もちろん半日感情を持つ人たちに利用されている部分もあるだろうけれどね。

 

ところが日本政府の対応がイマイチにぶい。17日になってようやく上海日本国総領事館 が文書を公開したが、まったく宣伝効果がないものらしい。

 

これからの時代は、適当に書かれたニュースが一人歩きすることを認識する必要があると思う。悪意があるないに関わらず、勝手に拡散されていく。行政サイドもそうしたことに関心を持ち、明らかにまちがっていることについては正式に訂正していくシステムを構築するべきだろう。

 

そしてニュースを受け取るボクたちも、その情報について鵜呑みにする姿勢を改める必要がある。どうでもいいような芸能情報だったら無視してもいいけれど、この記事のようなフェイクニュースはシャレにならない。

 

記事を読んであわてて拡散する前に、ニュースの発信元をチェックするくらいの気持ちが必要だと思う。元をたどっていけば、伝言ゲームがどこで大きく変化したのか、ある程度はわかるはず。

 

フェイクニュースを確かめもせずに拡散することは、悪意を持って情報を発信した人たちに加担しているのと同じ。あいまいな記事は鵜呑みにしないということを、改めて自分に言い聞かせた記事だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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