音を盗む恐怖
2日前がいつもの36時間断食だったけれど、風邪の影響で今日を断食日に変更した。今日は比較的暖かい気温なので、いつもより身体の冷えを感じずに過ごせている。
断食中は食べ物に意識を向けないようにする(と言いつつ食べ物が気になって仕方ないwww)ので、他のことに集中しやすいのがいい。今日もしっかり仕事をすることができた。
ここのところ仕事における生産性を意識している。最近見直しているのが「ながら仕事」
ボクは昔からいわゆる『ながら族』だった。文章を書いたり勉強するとき、静かな場所よりもカフェ等の騒がしい場所のほうがはかどる。そのクセが抜けなくて、『ゼロの物語』はほとんどカフェで書いたw
だけどやっぱり内面をじっくり見つめていくのなら、静かに集中するべきかと思い直した。そこで静かな環境で文章を書くように意識してきた。
それはそれで効果があると今でも思っている。だけどどうもペースが上がらない。生産性という観点から見ると、投下している時間に対する分量的な結果に不満を覚えるようになっていた。
そこで思い切って生産性を上げるべく、数日前からiPhoneで音楽を聴きながら仕事をしている。書き始めるまでの時間は静かに意識を集中させて、ある程度の内容を頭に描く。それから気持ちを切り替えて、音楽を聴きながら一気に書き進めてみた。
これが意外によくて、かなり集中できる。その集中力を生み出しているのは、静と動のメリハリだと思う。ボクの場合、静かな環境と『ながら』の環境を併用するのがベストだという結論に至った。
どちらかだけに徹するより、静と動を織りまぜることによって生産性が一気に高まるみたい。しばらく試してみようと思っている。ちなみにこのブログも、レディーガガを聴きながら書いている。
さて、少し古いけれど心に強く残る映画を観た。
『カンバセーション…盗聴…』という1974年のアメリカ映画。監督はフランシス・フォード・コッポラ。
この映画は未見だったので今回が初めて。あまり期待せずに観たけれど、予想していたよりはるかに面白かった。さすがコッポラ監督だよね。この映画は脚本も彼が書いている。
主人公は盗聴を専門とするハリーという男性で、ジーン・ハックマンが演じている。アメリカ政府から依頼を受けることもあるほど、盗聴に関する最新の技術と経験を持っている。
ある企業の役員から依頼されて、指定された男女の会話を最新鋭の機器で録音する。といっても今から見れば超アナログだけれどね。それはそれでかえって面白かった。
ところがその録音を確認して、ハリーは盗聴されている人間に危害が及ぶことを危惧する。だから依頼人の代理である秘書がテープを受け取りに来ても、録音を渡そうとしなかった。
それは過去に自分が行った盗聴によって、死者が出るという経験をしているから。それがトラウマとなっていて、なんとかして二人の男女を助けたいと願う。ところが物語はラスト近くで大きく動く。
実は盗聴されていた男女が黒幕で、盗聴の依頼者だった人物を殺すことが目的だった。ハリーは男女を守るつもりで、結果的に殺人に加担したようなことになってしまう。そんな予想外のどんでん返しを迎えるという映画だった。
地味な映画だけれど、この映画がすごいのはハリーの心理描写。盗聴を生業としているから、その恐怖を誰よりも知っている。だから自宅は何重にも鍵がかけられ、恋人にさえプライベートを話さないので逃げられてしまう。完全に被害妄想状態といっていい。
だからエンディングで、「余計なことをするな。お前を盗聴している」と黒幕の電話があってからが大変。ラストの数分だけでも観る価値のある映画だと思う。狂気に駆られたジーン・ハックマンの凄まじい演技に釘付けになってしまった。
ジーン・ハックマンは『フレンチコネクション』でブレイクして、『ポセイドンアドベンチャー』で乗りに乗っている時期だからね。そりゃ演技が魅力的なはず。
そしてまだ下積み時代のハリソン・フォードも実によかった。前年に『アメリカン・グラフィティ』で少し名を知られたけれど、『スターウォーズ』のハン・ソロ役は、はまだこの映画の3年後だからね。めちゃ若い秘書役だけれど、ダーティーな役のハリソン・フォードは珍しいので貴重だと思う。
これはサスペンス映画として、人間の心理的恐怖を見事に描いた作品だと思う。なかなか見ごたえがあった。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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