自由でいたいという不自由
三寒四温とはよく言ったもので、この数日は見事に三寒状態。昨日の外出時もかなり寒かったけれど、今日は昨日以上に冷えている。
午前中に掃除を終えて朝のブログを書いているときなんか、バルコニーの向こうでは雪が降っていた。今も六甲山を見ていると雲がかかっているので、きっと山頂付近は雪だと思う。
今日の3月8日は「国際女性デー」で、「ミモザの日」でもある。ヨーロッパでは男性がミモザの花を女性に贈る習慣がある。
去年の今ごろは、神戸でもミモザの花がほぼ満開だった。でも今年は寒かったせいか、ようやく花を開き始めたばかり。雪が降るくらいだから、ミモザも寒さにビックリしているかもね。でも、すぐに満開のミモザを見られると思うので楽しみ!
満開になったミモザの花って、華麗でキュート。そんなミモザの花のような女優さんが出演している映画を観た。
『ティファニーで朝食を』という1961年のアメリカ映画。
先日『麗しのサブリナ』という映画を観たので、久しぶりにこの映画のオードリー・ヘップバーンに会いたくなった。カラー作品なので、この映画のオードリーは本当に綺麗。
次々と変わる衣装を見ているだけで、ファッションショーを見ている気分になる。開店前のティファニーの店頭で朝食を食べるシーンは、映画史に残る名場面だと思う。本当に美しい女優さんだなぁ。
個人的にはこの映画のホリーという役は、あまり好きなキャラじゃない。というよりオードリーに合っていないように思う。原作では娼婦の役だけれど、映画ではその辺りは微妙に変えてあるらしい。
でもこの自由奔放でハチャメチャなホリーという女性は、かなりイタイ人間だよね。自由であることを求めるあまり、別の可能性に目を閉ざしている。自由でいたい、という不自由にはまっている状態。
売れない小説家と金持ちの男ばかり追いかける男女の恋愛物語だけれど、映画としてはハッピーエンドで終わる。雨の中で猫を探すシーンは、やっぱり何度見てもジンとくる。映画としては、とても素敵な終わり方だと思う。
だけどこの二人、絶対うまくいかないだろうなぁw
なんてたって、ホリーという女性は野生の猫が人間になったようなキャラだからね。最終的には恋人のポールの元を去ってしまうように思う。
オードリーの雰囲気なら、もっと自分の本性を心の奥に押し込めたような女性役のほうが合うはず。だから逆に言えば、よくこの役を演じきったと思う。この映画が好きなのでほめているつもりだけれど、伝わっているかなぁwww
何度見てもやっぱり不快に思うのは、ユニオシという日系の男性。これは当時でも日本人に対する人種差別だと問題になったらしい。1961年のアメリカといえば、まだまだ人種差別が当然だという感覚だったから、仕方ないのだろうけれどね。
時代背景的にはミュージカル映画の『ヘアースプレー』と同じころだから、個人的には納得して観ることができた。それでもこの登場人物がウザくて、この映画を好きになれない日本人はいるかもしれないなぁ。
リアルタイムの時代を表現した映画というものは、歴史を映した鏡でもある。1961年当時のニューヨークをこの目で観ることができると同時に、その時代の思想背景も知ることができる。これこそが映画の持つパワーかもしれないね。
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