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高羽そらさんインタビュー

あなたに『一分』はあるだろうか?

早朝から神戸は大荒れ。台風のような風が吹き荒れて、横殴りの雨が降っていた。

 

そんな天気なのに、朝のブログでも書いたけれど運転免許の更新に行ってきた。なぜこんな荒天に出かけたのか?

 

今日は大安で満月。5年も使う免許だから、そんな縁起のいい日に更新したい。おまけに妻も外出予定があったので、ランチに合流できるかも。要するに天気以外は、出かける要素がそろっていたということ。

 

幸いにも出かけるときは雨が小降りだったので、強風で傘を壊されないように注意するだけで済んだ。そしてこんな天気だから、更新センターはガラガラだった。優良ドライバーということもあるけれど、とにかく1時間強で新しい免許証を手にすることができた。

 

帰りもまるで台風。午後から雨もかなり強く降っていたので、満開になった桜がちょっと心配になった。昨日はこんな姿を見せてくれたのにね。

 

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公園のベンチに座っていると、桜の花にキスされた。メガネに花粉がつくほど接近した。もしかしたら今日の強風で、この桜も散っているかも。

 

さてここのところ時代劇の映画を観ているけれど、今日もいい映画を観た。

 

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『武士の一分』という2006年の日本映画。『一分』というのは面目のこと。武士の面目をかけて立ち上がった男の物語だった。

 

監督は山田洋次さんで、木村拓也さんが主演を務めている。いい映画だとは耳にしていたけれど、ようやく縁があって観ることができた。

 

たしかに素晴らしい作品だと思う。映画を観ていて、登場人物たちの置かれた状況に心が痛くなることがある。この映画は久しぶりに、痛くて、痛くて、本当に辛かった。山田洋次さんらしくハッピーエンドだけれど、一歩まかりまちがえば、とんでもない悲劇の物語になってしまう。

 

木村拓也さん演じる三村新之丞は、藩主の毒味役をしているわずか30石の下級武士。妻と二人でつつましやかに暮らしているが、貝の毒にやられ失明してしまう。このままではお城勤ができず、禄を失くしてしまう。

 

途方にくれたときに藩から達しが届き、今までの30石を保証するとのこと。生涯かけて養生すればいいという結論だった。ほっとした新之丞は、ある日妻の不貞を知る。問い詰めると、とんでもないことがわかった。

 

新之丞の禄が保証されたのは、妻の加世が番頭の島田に頼み、家老に口添えをしてくれたからだった。そのかわり加世は、以前から彼女に好意を持っていた島田の言いなりになっていた。

 

失明した自分の生活を保証するため、妻がそんな目にあっていたことを知り、新之丞はショックのあまり離縁する。けれどもその後に、衝撃的な事実が明らかになる。

 

新之丞の禄を保証したのは、自分の命を救ってくれた藩主の温情だった。島田は口添えなど一切せずに、加世をだましていただけだった。そこで新之丞は決心する。このままでは『武士の一分』が立たない。

 

まったく目が見えないというのに、島田に対して果たし状を突きつける、という物語。先ほども書いたけれど、映画としてはハッピーエンドを迎える。

 

ボクは途中で悲劇をイメージした。離縁された加世が自害するという設定。そうなれば復讐はさらに盛り上がるけれど、映画としての感動はない。だからそうだったら嫌だなぁと思いながら観ていた。

 

でも最終的に加世は戻ってくるし、島田もこの世から消えるのでほっとする。わかっていたけれど、やはり最後で感動して泣いてしまった。

 

島田を演じた坂東三津五郎さんは、とても素晴らしかった。人の良さそうな外見なのに、とんでもない腹黒だという雰囲気が見事。そして新之丞の中間を演じていた笹野高史さんは素晴らしい! この映画は笹野さんがこの役を演じたことで、大成功だと言える。それほど良かった。

 

だけどもっと驚いたのは加世を演じた檀れいさん。主役は木村拓也さんだけれど、この映画は檀れいさんが主役だと言っていいと思う。もしかしたら山田洋次さんの心にも、そういう意図があったのではないだろうか?

 

こんなにいい女優さんだと知らなかった。テレビのCMのイメージしかなかったからね。いやはや、まさに脱帽の演技だった。

 

それにしても現代人に『一分』というのはあるだろうか?

 

自分の面目のために、命をかけることができるだろうか? 

 

そんなことを思いながら観ていた。これは頭で考えてもわからないだろう。でも存在しないわけじゃないと思う。

 

ある日突然、出てくるものだと思う。あぁ、ボクにとっての『一分』とは、これだったのかと理解するのだろう。新之丞だって、その瞬間まで意識していなかったと思う。

 

いつの日か自分の『一分』に出会ったとき、ボクはどうするのだろう? 命をかけるのだろうか?

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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