幸せのメカニズム
今日は暖かいを越して、暑かった。家を出る段階ですでに上着は必要ないと感じたし、歩いている途中でシャツの袖をまくり、帰り道にはTシャツ1枚になってもいいかなぁと思えるほど気温が高かった。
風は湿度が低くとってもさわやか。今の時期ほど気持ちのいい季節はないと思う。そんな陽気に誘われて、地元神戸市灘区の桜の名所を散歩してきた。
そこは都賀川の河川敷で、今月の1日には灘区の「桜まつり」が開催された場所。けれどもその日の桜はまだ開花しておらず、おまけにいつ雨が降ってもおかしくないような天候だった。
でも今日の都賀川は最高の天気。
かなり散っているけれど、まだまだお花見は大丈夫。この写真にも少し写っているけれど、河川敷でバーベキューをする人が大勢集まっていた。
ボクが歩いているときは午前10時ころだったので、まだほとんどの人が準備中。でも今ごろはお酒が入って、盛り上がっていると思う。バーベキューをするには最高の気温だろう。
海まで続く都賀川を南へ進むと、まだ満開の桜もあった。神戸で桜を楽しめる土日は、今日が最後かもしれない。そういう意味では、いい天気で良かった。今年も神戸の桜を堪能できたよなぁ。また来年もよろしく!
こんな天気のいい日に桜の花びらが散るなかを歩いていると、本当に幸せだと感じる。幸せというのは主観的なもので、自分の幸せと他人の幸せを比較することは難しい。だけど自分が幸せだと感じているのならば、それはまちがいなくそうだと思う。
そんな主観的な幸せについて、科学的に研究している人がいる。とても面白い本を読んだ。
『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』前野隆司 著という本。
著者は工学博士の理系人間で、キャノンで勤めたり、カリフォルニア大のバークレー校で客員研究員、ハーバード大学で客員教授も経験されている。現在は慶應大学の大学院で教授職についている。
そんな理系の著者が、幸せについて真剣に研究している。その結果をまとめたのがこの本。
いわゆる自己啓発本という類のものとは、少し内容がちがう。上から目線で『生き方』指南するような内容ではなく、科学的にどうすれば人間は幸せを感じることができるかを、とても真面目に研究されている。
なぜ自分は幸せを感じることができないのだろう? どうしたら幸せだと思える人生になるのか?
そんなことを普段から思っている人には、めちゃめちゃオススメの本だと思う。あぁ、人間というのはこういう状態で幸せを感じるんだ、いうことがとてもわかりやすく書かれている。
研究の基本はアンケートになるけれど、そこには科学的な手法が使われている。『因子分析』というもので、名前からすると難しく感じるけれども、要因が明確になって理解しやすい手法だと思う。
著者は幸せについて4つの因子を導き出している。名前は著者がつけたものだけれど、分析したのはコンピュータによる解析。その4つを紹介しておく。
「やってみよう!」因子。
「ありがとう!」因子。
「なんとかなる!」因子。
「あなたらしく!」因子。
この4つの因子を見るだけでも、何となく幸せのメカニズムがわかるような気がしないだろうか?
ボクが内容を読んでビビッときたのは、幸せの要因が『地位財』と『非地位財』に分かれていて、そのバランスが重要だという部分に強い説得力を感じた。
これだけでは何のことだかわからないよねw
ということで気になった方は、ぜひ読んでみるべきだと思う。自分が見当違いの幸せを求めるという、『フォカーシング・イリュージョン』の罠にはまっていることに気づくかもしれない。
まぁ今の自分が幸せいっぱいだと思う人には、必要のない本かもしれないけれどね。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。