SOLA TODAY Vol.262
Netflixが世界中でシェアを伸ばし、他社の追随を許さない気配になっている。
その大きな理由は、単なるストリーミング配信ではなく、独自の映画やドラマを作っていること。ボクが先日までNHKで見ていた『火花』のドラマも、もともとはNetflixの独占配信だった。
オリジナルのドラマや映画を作り、二次流通させることでさらなる収益を目指す。今までは映画館で公開されたものが、時間をおいてDVD 化され、ストリーミング配信されていた。ところがNetflixによって逆転現象が起きている。
そうした新しい流れには、必ずと言っていいほど抵抗勢力が出現する。たいていは既得権益にどっぷりつかっている人たち。そんなあからさまな抵抗を見せつけられた記事を見た。
カンヌ映画祭、Netflix作品の参加を困難にする新ルールを発表
世界的に名が知られているカンヌ映画祭。今年の出品作のなかには、Netflixでストリーミング配信され、その後に映画館で上映された作品もある。でも最初で最後の登場になりそうだ。
Netflixは自社で作成した映画を、劇場で上映されることは受け入れている。でも最低条件として、同時にストリーミング配信されることが会社の方針。だから映画館関係者は面白くない。ネットでいいや、と思う人は映画館に足を運ばないから。
そんな傾向に同調したフランス映画協会は、カンヌ映画祭に新しいルールを決めた。映画祭に参加する作品は「フランスの映画館での上映を約束する」という条件だ。
でもフランスの法律で、劇場公開された映画は36ヶ月間はストリーミング配信できないことになっている。Netflixがその条件を飲むことは考えられない。つまり来年以降、Netflixはカンヌ映画祭から実質的に排除されることになる。
なんてケツの穴の小さい態度だろう。Netflixのような新しい流れが、怖くて仕方ないと告白しているようなもの。すでに負け犬の遠吠えでしかない。
そもそも映画祭の目的は、優れた作品を世に知らしめることのはず。もちろん映画業界の興隆を願ってのことだろうけれど、明らかに時代の流れに逆行している。
優れた映画を表彰することよりも、自分たちの既得権益を守ることに必死になっているだけ。それはフランス人の排他的な国民性だけが理由ではなく、映画界そのものが抱えている不安が表出したものだろう。
同じような抵抗が、世界中の映画祭で起きるかもしれないね。ハリウッドのアカデミー関係者でも、古い体制に依存していて、新しい流れに抵抗感を抱いている人はいるはず。でも無駄な抵抗だろう。
時代は刻々と変わっているんだな、ということを強く感じた記事だった。
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