SOLA TODAY Vol.264
日本は欧米とちがい、多くの宗教が入り乱れている。それゆえ神社やお寺が、あちらこちらにある。
特に京都で生まれ育ったボクは、おそらく他の地域に比べて神社仏閣が多い場所で暮らしていたはず。そんな神社仏閣に関して、面白い研究がなされている。
神社仏閣の近くで育つと「幸せ」感じやすい 大阪大教授らが分析
よくこんな研究課題を思いついたよね。
子供のころに神社や寺院が身近にあった人と、そうでなかった人を比べた調査。大阪大学の教授たちが、統計学の計算手法を用いて分析した。その結果、そうした環境で育ったほうが、「幸せ」を感じやすいとのこと。
研究者の教授はこう述べている。
「神仏や他人に見られている感覚を持つことで正直になり、人間関係が良好になるから幸福度が高まるのではないか」
この見られているという感覚は、なんとなくわかる。よく立ちションベン防止のため、鳥居の絵を描くことがある。そこへ向けておしっこをしないのは、信仰のあるなしに関わらず。なんとなく神聖なものを感じるからだろう。
だったらヨーロッパはどうなのかな? 紀行番組が好きでよく見ているけれど、小さな村単位で必ず教会がある。もし同じ調査をしたら、欧米でも同じ結果が出るのだろうか?
これはボクの想像だけれど、おそらく日本人のほうが影響が強く出ると感じる。なぜなら日本人の心には、「八百万の神」という考え方が根づいているから。森羅万象に神を見るという感覚は、日本人の心のどこかに残っているような気がする。だから一神教的な宗教が絶大な権力を持つことはない。
この調査では、ソーシャル・キャピタルということに関しても調べられている。寺社の有無を変数としてとり、幸福度を数値化するものらしい。
その結果、寺社が近くにある人たちのほうが、有意性のある幸福度の高さを示している。年収にすると、寺院・地蔵があった人は約169万円、神社があった人は約55万円高くなるらしい。面白いなぁ。
街に緑を増やすと、犯罪率が下がるということも聞いたことがある。そういう意味では神社仏閣は、日本人の心に何か言葉にできない作用をもたらしているのだろう。もしこれから子供を作る家族がいたら、そういう場所を選んで暮らすのがいいのかもね。
まぁ、ボクの場合は図書館や映画館が近くにあるほうが、幸福度が増す。お酒が好きな人は、居酒屋が多い場所のほうがいいだろう。そんな大人でも、もしかしたら子供のころに暮らした場所の影響が残っているのかもしれないね。
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