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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.267

日本が敗戦でアメリカの統治下にあったとき、幸いにも日本語は消えなかった。島国という地理的な特異性だけじゃなく、日本語が英語とちがう言語体系を持っているからだろう。

 

言葉というものはその国の文化の根底をなすものだから、日本語と英語との壁は大きい。もし日本語がラテン語を起源とする言語体系だったとしたら、ハワイのようにアメリカの州のひとつとなり、公用語は英語になっていたかもしれない。

 

どちらが良かったかという議論はさておき、現代において戦争による言語の消滅という事態は想定しにくい。ところがテクノロジーの進化によって、消滅するかもしれない言語がある。

 

音声コマンドがアイスランド語を絶滅させる? 政治家、専門家も懸念

 

日本と同じ島国であるアイスランドは、近年テクノロジーの先進国として認知されている。それゆえ大勢の外国人が訪れ、さらに現在ではサービス業に力を入れているので、人口の7倍にも及ぶ旅行者が訪れているらしい。2000年代に金融危機を経験したことによって、観光業へシフトした結果。

 

そんなアイスランドには、独自の言語がある。この記事によると、中世の古ノロド語というものからほとんど変化していないユニークな言語らしい。

 

たとえば「Hundslappadrifa」というひとつの単語が、「穏やかな風の中を降る大粒の雪」を表しているそう。とても神秘的で、興味深い。

 

ところがそれほど特異な体系を持つ言語ゆえに、音声コマンドに使用されることがない。iPhoneのSiriは41の言語に対応しているけれど、さすがにアイスランド語はない。それをデータベース化するのに、10億円近い費用がかかるらしい。

 

さらにアイスランドの人はほとんど英語が話せるし、先ほども書いたように観光客が多いので、英語を普段使いするほうが便利になっている。アイスランドの人口は33万人ほどでしかなく、子供たちはアイスランド語に触れる機会がなくなっている。

 

このままではアイスランド語が消滅するかもしれない。政府関係者はかなり焦っている。なぜならイギリスの同規模の街では、アイスランドに比べて科学者や芸術家が少ないらしい。そういう意味では、イギリスは人材を求めている。

 

言語の壁が消えてしまうと、若い世代がアイスランドを離れて大国へ移住してしまうのではないかと危惧されている。政府はアイスランド語を守ることで、人口の流出を防ぎたいと考えている。

 

日本人にはわかりづらい感覚だよね。たしかにその国固有の文化を守っていくために、言語が重要であることはまちがいない。でもグローバル化していく現代社会において、国境の壁が低くなるのは仕方ないことでもある。

 

テクノロジーの進化によって、言語の壁は消えつつある。日本語を含めてある程度影響を持つ国の言語は、AIによる翻訳機能で残されているだろう。使う言葉はちがっても、コミュニケーションをとることができる。

 

でも小国で影響の少ない言語は淘汰されていくかもしれない。そう考えると、少し悲しい気持ちになる。たったひとつの単語で多様性を表現できる素晴らしい言語があるのに、消滅させるなんてもったいない。

 

ワンネス意識というものは、マイノリティーが淘汰されて集約化していくものではない。多様性を受け入れることによって、互いのちがいを認め合うことでなされる意識。

 

そういう意味では、アイスランド語が消えなければいいなぁ。ボクが学ぶことはないだろうけれど、そんなことを考えてしまった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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