SOLA TODAY Vol.271
日常的に運動をするというのは、なかなか難しい。ボクの場合は2日に1度買い物に行って、約1万歩く程度。神戸は坂道が多いので、多少の負荷はかかっているだろう。あとはせいぜい、朝の掃除でマンション中の床を雑巾かけするくらいの運動だけ。
ましてや日々ジョギングをするなんて、とても無理。身体にいいと言われても、ウォーキングが精一杯。
だけど走らなくてもジョギングと同じ効果を得るものがあるとしたら?
「ランニングの代わりになる薬」の実現が近づいている:米研究結果
飲むだけで、ランニングをしているのとまったく同じ効果が得られる薬が開発中らしい。マウスの実験では、ほぼ完璧なデータが得られている。
なかなか面白い研究。ランニングをすることの効果を遺伝子レベルから考えている。長距離ランナー等は、「PPAR-δ」といいう遺伝子が活性化しているらしい。それは走ることによって得られたもの。体重が増えにくく、持久力も高くなる。
カリフォルニアの研究チームは「GW1516」という化合物をマウスに与えた。すると「PPAR-δ」が活性化して、他のマウスと比べて70%も長く走ることができたらしい。通常は運動することで活性化されるこの遺伝子が、薬の投与によって同じ結果をもたらした。詳しくい仕組みは、この記事に書かれている。
本音を言えば、こんな薬を飲まずに走るほうがいいに決まっている。なんとなく薬物に頼るのは気持ちよくない。でもそう思うのは、比較的健康な人だから。走りたいと思っても走れない人がいる。
高齢者や肥満の人、あるいは心臓や呼吸器に疾患を抱える人、2型糖尿病の人などは、走ることで得られる恩恵を受けられない。そういう人たちにとって、この薬が実用化されたならば、ランニングをすることと同じ効果を得ることができる。
うまくいけば現在抱えているトラブルを解消することができるし、運動しなければというストレスからも解放される。遺伝子に影響を及ぼすものだから、副作用が気になるのはたしか。そのあたりはさらに研究が進むのだろう。
今のボクが飲まないとしても、将来的にはわからない。なんでも薬に頼るのはよくないだろうけれど、ケースバイケースだと思う。選択肢を広げることで、救われる人があるのも事実。
運動しなければいけない、という常識を打ち破る意味でも面白い研究だよね。人間は動物だから、動くことによって得られるものは多い。でもそれを前提としたうえで、こうしたイレギュラーな方法があってもいい。他の分野でも、同種の研究が進むような気がするなぁ。
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