SOLA TODAY Vol.297
ボクの食生活からすっかり遠ざかったのが、『食べ放題』というシステム。
以前はタイ料理のバイキングや、ちょっと豪華にホテルのビュッフェ等に行ったこともある。だけどついつ貧乏性が顔を出して、元を取ろうとして食べ過ぎることになる。お金を出すなら、本当に美味しいものを適量で食べたいという結論になった。
だけど、ちまたでは『食べ放題』の看板をよく見かけるので、需要は多いのだろう。そんななか、かっぱ寿司という回転寿司のチエーン店が食べ放題を始めた。
ボクは回転寿司に、おそらく3〜4年は行っていない。かっぱ寿司に関していえば、京都にいた10年くらい前に行ったきりだと思う。ましてや食べ放題ということを耳にしても、先ほどの理由で足を運ぼうとは思わない。
リンクした記事は、かっぱ寿司の新しい試みを検証したもので、食べ放題のスタートは上々らしい。平日の昼間という限定サービスなのに、店舗によってはすぐに満席になって、長蛇の列ができたとのこと。
ただし経営者の立場で見ると、採算がとれるのかな? と思ってしまう。食べ残しは実費を取るらしいし、シャリを残したら一貫につき30円を徴収するとのこと。できる限りロスが出ないよう、店側も考えているのだろう。
かっぱ寿司が食べ放題に踏み切った理由は、当然ながら経営が悪化しているから。ボクはこの記事で初めて知ったけれど、回転寿司の原価率って50%近くになるらしい。他の飲食店の原価率の平均が25%だから、いかに割りの合わない商売なのかがわかる。
仕入れにお金がかかるので、低価格を維持しようと思えば、どうしても薄利多売にせざるを得ない。なんとかして『スシロー』や『くら寿司』に対抗するため、この業界としてはイレギュラーな食べ放題に踏み切った、との分析だった。
かっぱ寿司サイドとしては、時間を70分に制限したのがポイントらしい。統計結果によると男性が食べる平均は11.1皿なので、1580円の食べ放題でも時間を制限したら採算がとれると踏んだらしい。今のところ全国の347店舗のうち、食べ放題の対象は20店舗だけ。でも好評なら、扱う店舗を増やす予定。
ボク個人の感想をいえば、申しわけないけれど、きっとダメだと思う。
最初にも書いたけれど、食べ放題に行く人間は『元を取る』ことに執心している。だから男性成人の場合、1580円という値段以上を食べる自信がある人しか行かないだろう。ヤバいと思う人なんて、最初から普通の時間帯に食べに行くはず。
統計の平均値を真に受けて採算を計算している時点でアウト。スポーツ部の大学生だったら、70分もあれば余裕で30皿くらい食べちゃうよ。そんな人間が大挙して押しかけたら、赤字になるのは目に見えている。
この食べ放題のニュースをネットで知ったとき、「あぁ、かっぱ寿司は終わったなぁ」というのが最初の感想。この記事を読んでも、その気持ちは変わらなかった。さてさて、どうなることか。
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