なにげない日常こそが宝物
もうどれだけ雨が降っていないだろう。今日も神戸はカラカラの空気で、夜明けから日の入りまで太陽光の途切れることがない。過ごしやすいのはいいけれど、あまり雨が降らないと水不足の心配をしてしまう。
それでも晴れているからこそ、今日もいくつか用事を終えることできた。雨だとついおっくうになるからね。その勢いで兵庫県知事選挙の期日前投票にも行ってきた。投票日は７月２日でまだ日数があるので、投票所は貸切状態だった。楽チン、楽チン。
さて我が家の愛猫であるミューナは、数日後に誕生日。今年で満11歳になる。人間で言えば高齢者なので、さすがによく寝る。少し年老いた彼のためにも、過ごしやすい夏だったらと願っている。
ボクとミューナの貴重なふれあいタイムは、朝のブラッシング。毎朝掃除の前に、彼を膝に抱いてブラシをかけてあげる。結構楽しみにしてくれているようで、時間になったらいつもの場所で待っている。
毎朝ミューナの体重と体温を膝で感じながら、その瞬間の幸せにフォーカスしている。なにげない日常の幸せだけど、終わりがくるのはそれほど遠い日じゃない。毎日最後のブラッシングの日が近づいているのはたしか。
人生というのは、そんななにげない日常こそが宝物だと思う。それは失くして初めてわかる。だからこそ、日々を大切にしたい。
悲しみというのは、前触れもなくやってくるもの。それは避けることができない。
だけどなにげない日々を精一杯生きていると、その悲しみに耐えるものを得ることができる。日常の平和を愛しているからこそ、突然やってきた悲しみからその日常が救ってくれる。だけどなにげない日常を愛せない人に、それらは手を差し伸べてくれない。
そんなことを感じさせてもらえる映画を観た。
『マグノリアの花たち』という1989年のアメリカ映画。『プリティ・ウーマン』でブレイクする前のジュリア・ロバーツが出演している。
舞台はルイジアナ州にあるチンカピンという架空の街。そこで暮らす人たちのなにげない日常を描いた心温まる作品。
ジュリア・ロバーツが演じるシェルビーの結婚式から始まる。母親のマリンは、ボクの大好きな女優さんであるサリー・フィールド。そしてこの写真の仲間たちが、様々な人間模様を見せる。
普通に幸せな結婚をしたシェルビーだけれど、実は糖尿病を患っている。医者からは妊娠しないように言われていた。ところがどうしても子供が欲しかったシェルビーは妊娠する。母親のマリンは反対するものの、無事に男の子が生まれる。
その後は幸せな日々が続くように思えたが、シェルビーの肉体は限界だった。ある日発作を起こし、帰らぬ人になってしまう。
葬儀場で母のマリンは半狂乱になる。このシーンのサリー・フィールドの演技はマジですごい。それまでこらえてきたものが一気に爆発して、神を呪うような言葉まで発する。
そんなとき彼女を救ってくれたのが、先ほどの写真の女性たち。オリンピア・デュカキスが演じるクレリーと、シャーリー・マクレーンが演じるウィザーの機転によって、マリンは絶望を笑いに変えることができる。とても感動的な場面だった。
人生には予期しないことが起きる。だけどマリンを救ってくれたのは、身近にいる友人だった。それは彼女がなにげない日常を愛し、それを宝物として生きてきた結果だろう。心に残るとても素敵な映画だった。
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