汚部屋に住む人の共通点
朝から神戸は晴天だったけれど、夕方になって厚い雲がかかってきた。また次の大雨が近づいているらしく、明日は買い物デーなので困っている。まぁ、様子を見て出かけるしかないか。基本的に食料を備蓄していないと言っても、1日や2日はどうでもなるからね。
昨日の散歩中に見つけた柿の赤ちゃん。柿といえば秋の代名詞みたいに思っているけれど、まだ本格的な夏になる前から実をつけているんだね。四季というものは明確に分けられるものではなく、混在しながら少しずつ進んでいくものなのだろう。
まだ梅雨の真っ最中だけれど、来週の土曜日は7月。今日はこの3ヶ月かかりきりになっていた仕事を終えることができた。だけど月末までにやることがあるので、ここ数日は気が抜けない。
予定どおりに仕事を終えて7月を迎えたら、新作の物語に取り組む予定。おおまかな構想はできているので、最終的にどのようなものになるのか楽しみ。自分の予想外の展開になるから、小説を書くのはやめられない。
さて、最近のテレビ番組を見ていて感じたことを書いてみたい。先日、便利屋さんの仕事を追いかけた番組を見た。そのほとんどが、いわゆるゴミ屋敷のゴミの撤去と清掃。食事中に見なくてよかったと思うほど、すさまじいものだった。
さらに『家ついて行っていいですか?』という番組がある。終電に乗り遅れた人に、タクシー代を払うかわりに自宅を訪問させてもらうというもの。この番組の主旨はいろんな人の生き様だけれど、ボクが注目しているのは部屋の状態。先ほどのゴミ屋敷とはいえなくても、かなりヤバい家がある。
控えめに言って、汚部屋というのかな? ボクは小説を書く人間として、そういう人たちの心理状態に異常な関心を持っている。もしボクが心理学者だとしたら、片付けられない人の心理状態を分析したいと思っているほど。
いろいろと感じることはある。だけどその大筋として、片付けられない人が持っている共通点がある。
それは。『言い訳が多い』ということ。
ちょっと散らかっている程度の家なら、「すみません。散らかっています」という言葉が出てきて普通。汚れ具合に程度の差はあるけれどね。
ところが面白いのは、足の踏み場もないほどの家に住んでいる人の場合。部屋に入った第一声が『言い訳』から始まることが多い。
誰も何も聞いていないのに、玄関に置きっ放しになっているゴミの山を指差して「明日ゴミを出そうとして、玄関にまとめておいたんです」とか言い出す。
あっ、来た〜! と思ってその人に注目していると、見事なほど言い訳が続く。片付けられないこと、仕事がうまく言っていないこと、人間関係に不満を感じていること等、必ずと言っていいほど言い訳から入る。ボクはそのことに、強い興味を惹かれている。
例えば異性にモテないことについても、「時間がないし、あまり関心がないんで、気にしていません」という言い訳が出る。だけど舌の根も乾かないうちに、好きな異性と一緒に暮らしたいという本音が出てくる。
異性にモテたいという気持ちが明らかにあるのに、先にモテる必要がない言い訳を用意している。おそらく一事が万事で、自分の行動すべてに対して、うまくできない『言い訳』を前もって用意しているのだろう。
だから結果として、やらない。だってやる前から言い訳を用意しているから。モテるために、自分を変えていこうというリスクを負いたくない。やらなくていい理由を作っているから、失敗して傷つくこともない。
最初に書いたゴミ屋敷に住む人も、とにかく言い訳が多い。どうしてこうなったかと訊かれて、淡々と言い訳をしている。そのほとんどが意味不明で、そりゃ仕方ないよなぁ、とはまったく思わない。
壮絶なゴミ屋敷に住んでいる人は、はっきり言って心が病んでいる。病院で治るかどうかは別として、明らかに医師やカウンセラー等の専門家の指示をあおぐべき状態だと思う。わかっているけれど片付けられないというのは、薬物依存症の人たちと近い精神構造がある。もう自分ではどうしようもないのだろう。
人が住む家や部屋は、ある程度その人の心の状態と同じだと思っていい。だからコントロールできるうちに対処しておかないと、限界を超えてしまう。
仕事でも人間関係でも、自分ができない、あるいはやれない『言い訳』を口にしていたら警告だと思うべき。誰かれも訊かれていないのに、先に自分から言い訳を言うようになれば、かなりヤバい。
そんなときは、自分の部屋を客観的にながめてみよう。もし足の踏み場もないようだったら、思い切って片付けるべき。誰かに手伝ってもらってもいい。住んでいる環境を、自分の心の試金石にするべきだと思う。
そうしないと、自分という人間を『言い訳』でおおい尽くしてしまって、コントロール不能になってしまう。最近のテレビを見て、そんなことを感じた。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。