SOLA TODAY Vol.306
ついつい財布にたまってしまうのがカード。店舗によってポインドカードを発行するところが多く、その都度作っていたらキリがない。さらに関西ではICOCA等のICカードを利用する人も増えているから、ますます財布は太るばかり。
よく列車の改札で見かけるのが、思ったカードが取り出せなくてバタバタしている人。利用者が多い駅なら、あっという間に後方に行列ができてしまう。
そんな面倒をひとつにまとめてしまおうという動きが日本でも進んでいて、スマホですべてを処理できるようになりつつある。だけどIT先進国はもっと先を行っている。その代表がスウェーデン。
「体内Suica」で乗り放題! スウェーデンの鉄道が新システムを導入
スウェーデンの国営鉄道会社であるSJが、新しい料金支払い方式の導入を発表した。乗客の手に埋め込まれた認証チップをスキャンすることで、乗車料金を徴収しようというもの。これは計画ではなく、すでに今月の初旬からスタートしている。
現在のスウエーデンには、マイクロデバイスを体内に埋め込んだ『バイオハッカー』と呼ばれる人が2000人ほどいるらしい。SJによると、そのうちの200人がこのサービスを利用することを見込んでいる。今後はさらに増えていくだろう。
少し前のSF映画のようなことが、現実に起きている。これならスマホさえ必要ない。身体ひとつで列車に乗って移動することができる。日本なんてまだ小銭入れを手にして、ジャラジャラと硬貨を出している人が大勢いる。その差は開く一方かもしれない。
こんなサービスがスタートすると、必ずでてくる意見がある。「こんなことをするようになれば、個人のデータが収集されて、自分の行動を追跡される。これは政府等の陰謀だ!」なんてね。陰謀論が好きな人は、ついに新約聖書のヨハネの黙示録の時代が来たと言い出すかもwww
でもそれは映画の見過ぎ。SJの広報担当者はこう言っている。
「中にはマイクロチップを通じて、自身の行動を追跡されるかもしれないと考える人もいるが、追跡を心配するのであれば、携帯電話やクレジットカードを使っていることをもっと懸念すべきだ。マイクロチップ以外でも、人は様々な方法で既に追跡可能になっている」
まさにそのとおり! 自分の行動を追跡されるのが嫌なら、スマホもクレジットカードも使わず生きていくしかない。陰謀論的な映画を観るくらいだったら、CSI等の犯罪ドラマを観るほうが現実を直視できる。現代のデジタル社会において、個人の情報は垂れ流しが原則だと思ったほうがいい。
スウェーデンの現金払いは全決済のわずか2%で、残りの98%はカードや電子モバイル決済。アメリカの現金決済は33%で、日本なんて50%という高い率になっている。中国も現金を持つ人が大幅に減っているので、日本は現金信仰にどっぷりと浸かっているということ。
このマイクロチップは決済だけでなく、スマートシステムとしても利用できる。自動車や家の鍵の開閉だけでなく、その人の体調を管理して、ガンや炎症を起こす様々な病気をモニタリングできるようなシステムの実用化が、すぐ目の前まで来ているとのこと。
そのうち日本人でもチップを埋め込む人が出てくるだろう。認知症で徘徊行動をする人などは、GPS機能で安全を確保することにも使える。技術革新の進化は予想を超える加速度で変化しているので、もしかしたら近い将来にチップを埋め込むことが常識になっているかもしれない。
個人的には、なんだか痛そう。システム自体に心配はないけれど、身体にチップを埋め込むのってなんだか不安だなぁ。肉体に異物が存在することに、本能的な抵抗を感じてしまう。そんなボクが、数年後にどんな意見を持っているか興味津々でもあるけれどね!
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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