11回目の記念日
毎年この日を迎えると、あの暑い夏を思い出す。それは11年前の2006年7月13日の金曜日。なんて縁起の悪い日付だろう。
その日に、真っ黒な悪魔がやってきた!
悪魔だと思ったら、13日の金曜日にやってきたラブリーな黒い天使だった。
今日はミューナとの同棲記念日。その日も暑い日で、仕事を途中で抜け出して、妻を連れてミューナを引き取りに行った。その途中にコーナンへ寄って猫のトイレと砂を用意したが、そのときたまたま安売りしていた砂を買った。いまではAmazonだけれど、11年経っても同じ猫砂を購入している。
その2年後の秋には京都から神戸へ引っ越しているので、ミューナの人生のほとんどは神戸。幼年時代を過ごしたこの写真のマンションのことは、きっと覚えていないだろうね。今やすっかりオヤジ猫で、今日も涼しい場所を探して寝てばかりいる。
これから本格的な暑い夏を迎えるけれど、元気で乗り切って欲しいと思う。
さて、次は本当に怖い話。暑い夏に背筋が寒くなる映画を観た。
『愛がこわれるとき』『原題:Sleeping with the Enemy)という1991年のアメリカ映画。
『プリティウーマン』でブレイクした直後のジュリア・ロバーツが主演した作品。サスペンス映画なのだけれど、人間の潜在意識に潜む恐怖が刺激される作品になっている。
ジュリア・ロバーツが演じるのは、ローラという結婚して3年ほどの女性。夫のマーティンは仕事で成功していて、かなりリッチな暮らしをしている。普通なら幸せな結婚生活だけれど、実はそうではなかった。
マーティンは極端な潔癖症のうえに、異常に嫉妬深い。さらに些細なことで暴力をふるうDV男。ちょっと他の男性と話しただけで、頭から血を流すほど殴られる。もし離婚でも言い出そうものなら、殺されるだろう。
そこでまったく泳げないローラは、密かに水泳の練習をする。そしてある日、夫と友人の3人で荒れた海にヨットで出たとき、海に落ちたように装ってそのまま失踪する。当然ながら遺体があがることはないが、マーティンは妻が死んだと思って葬儀まで行ってしまう。
ところがローラという女性は脇が甘い。殺されるほど恐ろしい夫なのに、あちこちでボロを出している。水泳の練習をしているときの友人に口止めをしなかったり、老人ホームの母親の死を偽装して他の場所に移しているのに、夫がそのことを追跡するとは思っていない。
そして決定的な証拠として、捨てたはずのローラの結婚指輪が別荘で見つかってしまう。どこか遠くで処分すればいいのに、そういう意味ではツッコミどころ満載の映画。まぁ、夫が妻の偽装に気づいて追いかけないとドラマにならないからね。
結果的にはローラがマーティンを殺して終わる。ストーリー展開としては穴だらけだけれど、根源的な恐怖は十分に表現されていたと思う。マーティンを演じたパトリック・バーギンという俳優さんは、マジでサイコパスかと思うほど怖かった。
だけど特典映像のインタビューを見ていると、優しそうなイケメン。だからそれほど真に迫った演技だったということだよね。ジュリア・ロバーツも相変わらずいい演技だった。初めて観た作品だけれど、それなりに楽しかった。
DVの直後に妻に優しくするシーンなんて、よく研究していると思う。一般的にDV男はそうらしい。そのあたりの気持ち悪さが、前半部分でいい効果を生んでいたと思う。暑い夏にドキドキして涼しくなりたい人には、納涼映画としてオススメだよ。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。