SOLA TODAY Vol.331
つい先日、市川海老蔵さんに関する週刊誌の記事がネットで流れた。亡くなった小林麻央さんがかかっていた病院に、3000万円ほどの未払金があり、病院の対応に納得できない海老蔵さんが支払いを拒否して訴訟を起こすという内容。
海老蔵さんがブログでこの記事を明確に否定されて、まだ麻央さんが通院する予定だったために清算していない費用が3万円だったと公表された。もちろん訴訟なんてありえない話。だけど海老蔵さんの友人や、お母さんまでが記事に翻弄されて心配されたので、やむなくブログで週刊誌の記事が大嘘であることを明言された。
メディアというものに対する信頼は地に落ちている。少なくともボクにとってはそうであることはまちがいない。だけどいまだに新聞や週刊誌、そしてテレビのニュース等の影響力は無視できない。海老蔵さんの件に関しても、昔のように本人が否定できる場がなければ、事実として大勢の人が認知してしまったと思う。
そんなメディアに対する不信は、日本だけの現象ではないらしい。
新聞がありのままの事実を書いているという認識は、少しずつ失われつつある。新聞社を取り巻く政治的信条や思想的な背景によって、事実が脚色されて報道されているのを大勢の人が気づいているはず。
2016年の調査によると、新聞を全般的に見て満足であると答えているのは全体の51.8%。前年から2.1ポイント減少しているとのこと。今年の統計を取れば、さらに減少することだろう。
この記事では、海外についても同じような調査結果が出ていることが記されている。
『フェイクニュース』という言葉を生み出したアメリカのトランプ大統領。そのアメリカでは以下のような状態らしい。
『米ハーバード大学と調査会社ハリスが行なった調査によると、全体の65%が既存の大手メディアにはフェイクニュースが溢れていると考えている。トランプの支持基盤である共和党員に至っては、80%が既存メディアはフェイクニュースだらけだと考えている。一方、ネットの情報はどうかと言うと、84%がネットの情報はどこまで信じればいいのかが分からないと答えている』
イギリスではさらに面白い調査が行われている。逆説的な発想で、どのメディアを信じているか、という質問だった。それによると、
『英調査会社YouGovが行なった、英国で一番真実を語っていると思うメディアはどれか、との調査に衝撃的な結果が出ている。なんと、1位になったのは「Wikipediaの執筆者たち」で、回答者の64%がWikipediaを挙げたのである』とのこと。
どんな大手の新聞社やテレビ局よりも、ネット百科事典のWikipediaを信頼しているらしい。Wikipediaもかなりいい加減な記事が多いけれど、書き込むためには個人認証が求められる。だから、自社の利益しか求めない大手メディアよりは信用できるという発想なのかもしれない。
結論から言えば、何を信じるかはその人しだい、ということだろう。ボクだって注意しているつもりでも、ガセネタを信用している可能性がある。実際にそういうことも何度かあった。こうなってくると、何がなんだかわからなくなってくる。
とりあえず意識しているのは、自分が事実だと思っていることが嘘っぱちかもしれないのを自覚すること。新しい事実の発覚によってまちがいだと知った瞬間、今までの認識を手放せる自分でいたいと思う。過去の事実に固執して、その正当性を主張し続けるような頑固野郎にはなりたくない。それだけは自分に言い聞かせている。
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