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高羽そらさんインタビュー

時間の本質が映像化されてるね

今日は「幽霊の日」ということなので、ちょっとした幽霊体験を紹介しよう。ちなみに「幽霊の日」の由来はツイートで書いたので、そちらを参照してね。

 

かなり可愛い幽霊だよ。もう5、6年前のことになるけれど、妻と神戸の街を散歩をしていた。たしか夕方近かったと思う。公園に通りかかると、遊んでいる子供はひとりもいなかった。

 

静かなだなぁと思って歩いていると、妻が面白いものを見つけた。それはブランコ。まったく無風なのに、複数あるブランコのひとつだけが揺れている。その直前に誰もいなかったし、その後も誰も遊んでいない。他のブランコも一緒に揺れているならわかるけれど、そのひとつだけ。

 

それもじっくり見ていると、だんだんと漕ぎ方が強くなってくる。つまり動きが激しくなってきた。どう考えても、姿の見えない子供がブランコで遊んでいるとしか思えない。しばらく観察していたけれど、その公園を離れるまでブランコはキーコキーコと音をさせて揺れ続けていた。

 

もうひとつは最近のこと。これまた公園。買い物をして帰ってきたお昼前、ある公園を通りかかった。その時間帯なので、遊んでいる子供はいない。そして先ほどと同じく完璧な無風。ところが大きなタイヤをぶら下げた乗り物があって、それが動いている。

 

不思議なことに風に揺れているという雰囲気ではなく、明らかに回転していた。じっと見ていると、まったく止まる気配がない。クルクルと規則的な回転をいつまでも続けている。物理法則的にはありえない。もしかしたら公園という場所は、目に見えない子供が遊んでいるのかもしれないね。

 

さてそんな「幽霊の日」に不思議な映画を観た。

 

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『スローターハウス5』という1972年のアメリカ映画。監督は『明日に向かって撃て』や『スティング』という名作を監督した、ジョージ・ロイ・ヒル。

 

この映画はマジで不思議な作品。ボク的にはメチャメチャ面白かった。かなりオススメなので、大勢の人に観て欲しいと思う。だけど評価が別れる作品だろうなぁ。それほど変わっている。

 

主人公はビリー・ピリグリム。若いころは第二次世界大戦で米兵としてヨーロパで戦い、戦後は家庭を持ち、晩年は経営者としても認められて成功している。このビリーの人生が同時進行する物語。

 

ただ同時進行すると言っても、普通じゃない。先ほどアップした写真を見て欲しい。どう見ても、これはSF映画だよね。第二次世界大戦もアメリカでの生活も関係ない。この写真は地球ではなく、トラルファマドールという星の映像。ねっ、不思議な映画でしょう?

 

初老を迎えたビリーは飛行機事故に遭って、奇跡的に助かる。その直後に、若いころに遭遇していたトラルファマドール星人に連れて行かれたという設定になっている。その宇宙人は4次元の存在で、時間を超越した世界に住んでいる。

 

だからビリーは、自分の過去にも未来にも自由に行き来できる。自分の生まれる以前と死後の世界は無理だけれど、人生の範囲ならば何度でも追体験できる。だから映画はビリーの追体験として描かれているので、同時進行するというわけ。

 

編集が見事で、過去と現在と未来が完璧にリンクしている。これだけだと単なるSF映画だと思う。だけどそれだけじゃない。観る人に強く訴えかけるシーンがある。それは第二次世界大戦中のドイツのドレスデンという街の描写。

 

ビリーは捕虜になり、ドイツのドレスデンで強制労働をさせられる。これはこの物語の原作者の体験に基づいているらしい。そのドレスデンは1945年2月13日までは空襲を受けてない街として知られていた。ところが連合軍は大規模な空襲をこの日に行なっている。

 

ドレスデンの街の85%が破壊され、15万人もの一般市民が命を落とした。だけど敗戦国のドイツでの出来事。戦勝国であるアメリカ等の連合軍は、この悲惨な出来事を詳しく公表していなかった。

 

少し調べてみると、この映画の原作、さらにこの映画によって、ようやくドレスデン空襲の事実が世界に知られることになったらしい。だから一見してSFファンタジーのような作品だけれど、本当の意図はこのドレスデン空爆の事実を伝えるためだったのではないだろうか?

 

過去も未来もなく、永遠の『今』しかない、という時間の本質を映像化した作品。でもそれと同時に強いメッセージ性を持っている映画でもある。ボクはこの映画を名作だと思う。一度では理解できない部分もあったので、次は原作を読んでみようと思っている。

 

とにかく、ボクにとって忘れられない映画となったのはたしかだ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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