『ゴーン・ガール』の勝ちかな
昨日の夜から今朝にかけて、秋が来たかのような涼しさだった。でもそれは朝までのこと。日が高くなるにつれて、しっかり気温が上がっている。
今日は自宅に引きこもる日なのであまり実感はないけれど、神戸でも34度くらいまで気温が上がっているはず。でも東京近郊は38度近いらしいから、そう思うとまだかなり涼しいかも。
我が家はエアコンがないけれど、かといって何も使っていないわけじゃない。扇風機をうまく利用して、少しでも快適に過ごすようにしている。特に今日のように風があまり吹かないときは、扇風機で空気を動かすことでかなり楽に過ごせる。
猫のミューナも、ゆらぎ状態で吹く風を受けて、気持ち良さそうに眠っている。エアコンという文明の利器を生まれてこのかた見たことがない彼には、これがエアコンだと扇風機をさして嘘を教えているけれどね〜www
さてまだまだ暑い季節に、少しは背筋が冷たくなりそうな映画を選んだ。特に男性にとって冷却効果が高い作品かもしれない。
『誘う女』(原題:To Die For)という1995年のアメリカ映画。映画の内容はさておいて、この邦題はマズイよなぁ。誰がこんなつまらないタイトルを考えたのだろう? ポルノ映画じゃないんだからね。
これは実際に起きた事件を基にして映画化されたもの。夫が邪魔になった妻が、高校生をたぶらかして肉体関係を持ち、その高校生の友人と共謀させて夫を殺したという事件。映画でも同様の展開になる。
ただこの映画の構成として面白かったのは、インタビュー形式のドキュメントタッチで進行すること。だからかえってリアリティが増すように思う。
もうひとつこの映画を面白くしているのが、この映画の主人公であるスザーン・ストーンのキャラ。テレビに出て有名人になることしか考えられなくて、そのためならなんでもする。異常なほど功名心の強い女性で、邪魔をするなら夫でも殺してしまう。
その異様でどこかぶっ飛んだ女性を、ニコール・キッドマンが見事に演じている。この映画は彼女の演技を見るだけでも値打ちがある。セリフのあとのちょっとした仕草や、微妙な表情に、言い知れない怖さと異常性を感じさせる。素晴らしい演技だった。
夫役のマット・ディロンが、ちょっと気の毒になるくらい。惚れた弱みがあるとはいえ、簡単に殺されてしまうんだからたまったものじゃない。他の俳優さんも、この映画の雰囲気にぴったりだった。
興味深かったのは、高校生役で出演していたケイシー・アフレック。あまりに若すぎて、すぐに気がつかなかった。今年のアカデミー主演男優である彼も、このときは高校生役をしていたんだね。
そしてケイシー・アフレックの名前で思い出すのは、兄のベン・アフレック。そして怖い女性といえばベン・アフレックが主演した『ゴーン・ガール』という映画がある。この映画の妻もかなり怖い。
いや今日の映画と比べると、どう考えても『ゴーン・ガール』の勝ちだろう。同じ悪女でも質がちがうからね。
『誘う女』のスザーンは、夫の父親がマフィアに依頼することで殺される。だけどこの映画の元になった夫殺しの女性は、いまだ終身刑で受刑中らしい。
でも『ゴーン・ガール』でロザムンド・パイクが演じたエイミーは、自ら人を殺しているのに捕まらないし、夫を生かさず殺さずで決して離さない。やはりエイミーにかなう女性はいないだろうなぁw
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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