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高羽そらさんインタビュー

フィクション、ノンフィクション?

先週から悩まされたパソコン問題も、一応今日で決着をつけた。最終的に、我が家のパソコンは1台になった。

 

妻は基本的にスマートフォン中心の生活なので、パソコンをボクが独占していてもほとんど問題なしとのこと。ボクの場合、ブログと小説を書くことを考えると、1日で最低でも4〜5時間はパソコンを使うので助かる。

 

パソコンのメールソフトは複数のアカウントを設定できるし、iTunesで行うiPhoneのバックアップも、ディレクトリを分けることで、ボクと妻のiPhoneデータを1台のパソコンで保存しておくことができる。当分はなんとかこのパターンでいけそうだ。

 

外付けキーボードの操作も慣れてきたので、いい感じ。ちなみにMacBook Airのキーボード部分を交換してもらうと、最低でも3万円はかかるそう。ところがボクが今使っているMac専用の外付けのキーボードは、Amazonで1900円だよ! アホらしくて交換する気持ちなんておきない。

 

将来的には新しいパソコンを購入することになるだろうけれど、使える限りはこのパソコンを使ってやりたいと思う。ボクはこの4年間、かなり酷使してきたのに、キーボードのちょっとした不良だけで頑張ってくれている。ボクにとって同士であり、戦友でもある。

 

だから普通に動いてくれるあいだは、ずっとこのパソコンを使おうと思っている。今回のドタバタで、さらに愛着が湧いてきたからね。大切な相棒だわ!

 

さて、昨晩はとんでもない恐ろしい本を読了した。こんなこと書いていいの? とマジで心配した。恐ろしいといっても、オカルトの本じゃない。現代の出版界を赤裸々に描いたもので、その衝撃的な事実にガクブルになった。フィクションと断ってあるけれど、ボクにはノンフィクションに思えた。

 

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『断裁処分』藤脇邦夫 著という本。

 

断裁処分というのは、書店で売れなくなって、出版社に返品された本や雑誌を再度流通しないように、廃棄処分扱いにすること。

 

この小説は文字どおりの「断裁処分」を描いたものじゃない。出版業会に関わる人たち、つまり出版社、取次、書店等で働く人たちが、出版不況によって「断裁処分」されるという恐怖を描いた作品。人員の断裁処分=リストラ、ということになる。

 

この本のオビに、出版社の幻冬舎社長である見城徹さんが、強烈なコメントを書かれている。これだけで、この本の怖さが伝わってくる。

 

『面白いですが、出版業界を志望する人は読まないで下さい。出版業界を取り巻く末期的症状が、この小説には余すことなく描かれています。もう、アウトかも知れません。しかし、それでも僕は、出版をやめません』

 

まさにこのコメントの通りの内容だった。小説を書いているボクにとっても、決して他人事じゃない。ここに書かれている現状はおおよそ理解していたけれど、そんなものがまだ一部にしか過ぎないことを思い知らされた。今年の4月に出版された小説なので、まさに『今』を描いていると思う。

 

一般的に本が読者の手に届くのは、出版社、取次、書店という図式になる。この取次というものが日本独特のもので、再販制度、委託販売という、日本の出版界を支えてきたシステムだと言える。

 

書店にすれば、売れない本は返品できる。売れた本についてだけ、仕入額を取次に支払えばいい。取次はそこから出版社の取り分を払う。だから売れない本はどんどん出版社に返品されてくる。だからうかつに初版数を多くできないし、簡単に重版をかけることも難しい。

 

そして本が売れない。今の20台、30代の人が紙の本を買って読むことは、なくなりつつあると考えていい。だから出版社の経営を支えていた雑誌が売れない。それは電子書籍に姿を変えているから。

 

さらにAmazonの登場によって、取次の存在意義が失われている。Amazonは出版社との直取引を進めているので、取次に流通を支配させようとしない。それが定着すれば、日本のどこで買っても同じだった本の値段が、扱う場所によって変わることになる。それはすでに電子書籍でそうなっている。

 

そして書店は取次の保護をなくし、店を閉めざるを得なくなる。これからの出版界はどうなっていくんだろう? そのことを真剣に考えてしまう小説だった。かなり衝撃的な内容なので、ボクも当分は尾を引きそうだ。

 

decoration/dcr_emoji_238.gif『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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