SOLA TODAY Vol.368
性善説を信じたいところだけれど、人間というものはペナルティーが課せられなければ、平気でルールを無視することがある。
それはボクだって同じ。車を運転するときは絶対に信号を守るけれど、歩いているときに信号を無視して道路を横断することがある。その行動のちがいは運転免許証に関わる行政処分の有無だろう。
そうしたルール無視ということに関連して、最近ネットで話題になっていることがある。それは飲食店に予約を入れた人が、当日になって無断でキャンセルをすること。いわゆる「ノーショウ」と呼ばれているもので、規模の小さい飲食店にとっては死活問題になっている。
そんな「ノーショウ」に対して興味深い試みがなされている。
この記事で紹介されている銀座の高級フランス料理店では、全体の予約の4〜5%が「ノーショウ」とのこと。これは決して見逃せない数字だろう。
そのほとんどがウェブからの予約らしい。電話や顔を見ての直接的な予約とちがって、ネットだとキャンセルしやすいのだろう。だとしても社会人として行けなくなったら連絡するのは当たり前のこと。あまりにも想像力がなさすぎる行為だよね。
割と多いのが外国人らしく、旅行の予定が変わったりして連絡を忘れることがあるのかもしれない。言葉の問題もあるしね。だけどそのお店では日本人の当日キャンセルもかなりあるとのこと。
ある人は2年間に14回予約して、そのうち10回もキャンセルしたという猛者もいる。それでもそのお店はその人の予約を受け付けている。
「レストランは楽しい時間を過ごしてもらう場所であって、どのようなお客様であっても受け入れるべきだと考えています。ブラックリストを作ったり、事前にクレジットカードの番号を控えたりするつもりはありません。ノーショウは店にとって大きな損害ですが、打つ手はないのが現状です」とインタビューに答えておられる。
そこでそんな「ノーショウ」に対して、クレジットカードの「ダイナースクラブ」を運営している三井住友トラストクラブが、LINE等と提携して新しい会員制のサービスを始めた。
提携している飲食店で当日キャンセルが発生すると、その席の予約を三井住友が買い取る。そしてその事実が会員に通知され、そのお店に行きたいと申し出た人がカード決済で予約をできるというシステム。
これなら特別の食材を仕入れて準備をしていた飲食店も安心。カウンター席しかないような小さな店舗なら、本当に助かると思う。ただし問題は残っている。
このシステムに登録している飲食店は東京を中心とした16店の人気店ばかり。つまり普段から予約が取りにくく、キャンセルを待っている人が潜在的に一定数いることが予想できる。だけどもし人気のないお店ならどうなるか?
買い取った席に関して、クレジットカード会社が負担することになる。そうなるとまだ実績がない店舗だと、提携店として承認してもらえないかもしれない。今後は100店舗の提携店を目指しているらしいが、かなりハードルが高そうだよね。
ホテル業界では、すでにキャンセルの売買が普通に行われている。たしか『cancel』という名前のアプリを運営している会社があったはず。これからはマッチングがスマートフォンによって成立していく時代だから、このようなサービスは広がっていくかもしれない。
どちらにしても、予約が殺到するお店にすることが大事ということ。キャンセル以前に、予約が入っていないと話にならないものね〜w
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