モヤモヤが吹き飛んだ
今日は4ヶ月に一度の歯科検診。朝のブログを早めにアップして、かかりつけの歯医者さんに向かった。
雨が昨日の夜から明け方にかけて降ったけれど、ボクが出かけるころにはすっかりあがっていた。少し湿度が高くて蒸し暑さを感じたけれど、傘なしで行けるだけで十分。歯も異常なしで、歯石を取ってもらってスッキリ。面倒だけれど、これだけは欠かさず続けている。
明日の朝は久しぶりに熱帯夜になる予報だけれど、もしかしたらこの夏最後の熱帯夜かもね。次の歯科検診は来年の1月だから、今度は寒さに震えながらの通院になるのだろう。でも4ヶ月ごとに通うと、四季を楽しめていいかも。
さて、今書いている新作の小説に、レイブされる女性が出てくる。犯人に脅されているので、出頭しないまま時間が経過して証拠がない。有罪に持ち込めない女性の気持ちはどんなだろう、と想像しているときに、まさに答えをもらったような映画を観た。
「求めや、さらば与えられん」というキリスト教の言葉は、まさにこのことかもねw
『告発の行方』(原題:The Accused)という1988年のアメリカ映画。
レイプされる女性をジョディ・フォスターが演じている。この映画の3年後に『羊たちの沈黙』でアカデミー主演女優賞を受賞するジョディだけれど、実はこの映画でもアカデミー主演女優賞を受賞している。まぁ、それだけ素晴らしい女優さんだということ。
『羊たちの沈黙』は何度も観ているけれど、この作品は今回が初見だった。テーマがテーマなので、どこかで敬遠していたのかもしれない。だからこそ今日観たのは、小説を書くうえでの必然的なものだと感じた。
ジョディが演じるサラは、恋人ともめて失意のまま酒場に行く。友人がそこで働いているから。そんな彼女にスキがあったのは事実。マリファナを吸って酒をのんでいた。さらに恋人に対する腹いせから、男性に思わせぶりな態度を取ったりした。
だからといって、3人の男性にレイプされていいわけない。そして周囲にはそれをはやし立てる男たちもいた。サラは酒場から逃げ出して警察に助けを求め、裁判が行われることになる。その裁判を担当したのが検事補のキャサリンで、『トップガン』の教官役で有名なケリー・マクギリスが演じている。
どうしても犯人に懲役を受けさせたいキャサリンは、弁護人と取引することで、強姦罪の適用を取り下げ、暴行罪で手を打つ。なぜなら強姦罪と同じ懲役年数を勝ち得たから。だけどサラは納得がいかない。自分に対する極悪なレイプが、傷害事件になってしまうから。
さらにそのときに周囲ではやし立てていた人間が、サラのことをあばずれのように言って馬鹿にする。絶望したサラは、自傷行為に走ってしまう。そんなサラを見たキャサリンは、勝手に弁護人と取引したことを後悔する。
そこでレイプ現場の酒場ではやし立てていた人物を、合歓教唆の罪で告訴するという前代未聞の裁判を起こし、サラが受けたひどい事実を明らかにしようとする。結論として裁判に勝利することになるけれど、そこに至るまでのハラハラドキドキが最高で、とても見応えのある映画だった。
ケリー・マクギリスの検事役はマジで素晴らしかった。彼女自身がデビューしたころにレイプの被害にあったことがある。だからこそ、自分の体験と重なる部分があったんだろう。まさに鬼気迫る検事補役だった。
そしてジョディ・フォスターの演技には圧倒された。彼女は天才だね。『ダウンタウン物語』や『タクシードライバー』で子役の演技を見たときも、光るものを感じた。だけど成人した彼女の演技は、言葉にできないほど素晴らしかった。レイプシーンなんて、おそらく映画史に残る凄まじい演技だと思う。
とにかく裁判に勝てるかどうか、最後までモヤモヤする。それがたまらない。そしてラストで勝利が決まると、それまでのモヤモヤが吹き飛ぶ体験ができる。同時にボクが小説を書くにあたって知りたかったことが理解できたので、さらにスッキリ! 本当に最高の作品だった。
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